WordPress 2.3

以下は、2007年9月25日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress 2.3」を訳したものです。


WordPress バージョン2.3(コードネーム:デクスター)の公式リリースを発表でき、とてもうれしく思います。このリリースにはデフォルトでのタグ機能サポート、更新お知らせ機能、URL処理の改善などが含まれています。コードネームの由来は、偉大なるテナー・サキソフォンプレーヤー、デクスター・ゴードン氏に由来します。開発チームはみんな、このリリースを世に出せることを誇りに思っています。新しい開発スケジュールロードマップのもと、2度目のリリースを予定通りに行うことができたことにも満足しています。より速く、重要な機能を備えた WordPress をユーザーに提供するという大規模な実験はうまくいっているようです。今回の新機能ひとつひとつについて個別にブログ記事を書くこともできるくらいなのですが、なるべく簡潔にまとめてみます。

  1. タグ機能へのデフォルト対応により、カテゴリーに加え、各記事に対するタグをつけることもできるようになります。Ultimate Tag Warrior、Jerome’s Keywords、Simple Tags、Bunny’s Technorati Tag プラグイン用からの移行ができるインポーターも用意していますので、すでにタグ機能プラグインを使っていた皆さんは、そのデータを新システムに取り込むことができます。新しいタグシステムはさらにスピードの面でも改善が図られているので、お使いのホスティングサービスもきっと喜んでくれるでしょう。
  2. 新しく導入された更新お知らせ機能により、WordPress 本体やプラグインの更新リリースをいちはやく知ることができます。この機能はあなたのブログのURL、プラグイン、そしてバージョン情報をAPIサービス(api.wordpress.org)に送信します。このAPIサービスは、受け取った情報とデータベース上の最新バージョン情報を比較し、更新されたバージョンの情報を送り返します。
  3. 標準URL(カノニカルURL)」と名付けたシステムにて、URLまわりをすっきりさせました。これにより、WWW がドメイン名の頭につかないよう強制的に変更したり、記事スラッグが変更された記事の古いURLをリダイレクトしてリンク切れをなくすようにしたり、メール内の途中で途切れたURLを、似たURLへリダイレクトしたりするなどの機能が追加されました。これらの機能は、ユーザーが迷ってしまうのを防ぐだけではなく、各記事に「標準URL」を割り当てることにより、検索エンジン最適化にも役立ちます。さらに詳しい情報は、こちらにて。
  4. 新しい記事承認システムは、複数のブロガーがいるサイトにきっと便利なはずです。以前は草稿を保存しておいて、誰かが気づいてくるのを待つだけでしたが、、この新システムにより、投稿者は投稿を保存し、エディターまたは管理者に確認してもらうようにできます。
  5. 僕たちが「キッチン・シンク・ボタン」と呼んでいる、高機能WYSIWYG(リッチエディター)が追加されました。これにより、今まで表示されていなかった TinyMCE の機能を使えるようになります。

以上のうちの2つは、WordPress.orgの「拡張アイデア」の中から人気があるものを選んで採用された機能です。これらはユーザー側の機能ですが、開発者の方なら以下の新機能もきっと興味深いと思います。

  1. パブリッシング・プロトコルを含む Atom 1.0 への完全対応。
  2. 新バージョンの jQuery(JavaScriptフレームワーク)を採用。反応スピートが8倍速くなりました!
  3. ユーザーの目に見えるタグシステムの背後には、かなりすごい タクソノミーシステム(データ分類方法)が隠れています。WordPress の柔軟性を大幅に高めたこのシステムは、おそらくバージョン1.5以来最大のスキーマ変更と言えるでしょう。
  4. インポート機能のメモリー効率をさらに高めました。また、プラグインを使ってインポート機能を追加することができるようになりました。
  5. フック、フィルタを通して、更新システムやダッシュボードの RSS フィード、フィードパーサーなど多くのアクションをオーバーライドできるようになりました。
  6. 新しい SQL クエリー方法、$wpdb->prepare() を加えました。
  7. このリリースでは、100人以上のユーザーの協力により、351ものチケットをTracで解決することができました。これらの数多くのバグフィックスや新機能という作業があるからこそ、WordPress というソフトが今あるのです。

Codexにて、このリリースに関するさらに詳しい情報やスクリーンショットを見ることができます。ダウンロードする場所は、もちろんいつもの通り。アップグレードを行う前に、「バージョン2.3に備えて」という記事や、対応プラグインの一覧も読んでみてください。
サンフランシスコにいる僕(訳者注:原文投稿者のMatt) をはじめ、たくさんの人が世界中で「アップグレードパーティー」を開いています。もし予定があるなら、教えてくれたら僕のブログで告知しますよ。