WordPress への貢献、その 4 : アイディア・意見・フィードバック

以下は、2009 年 5 月 9 日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「Contributing to WordPress, Part IV: Ideas, Opinions, Feedback」を訳したものです。以下のリンク先は全て英語となっていますが、ご意見やアイディアがありましたら、ぜひコメントやトラックバックでお知らせください。また、5 月 21 日までフォーラムでの意見募集も行っています(詳細)。


「こういう機能があったらいいのにな」
「どうしてこういう機能をコアに含めないんだろう?アイディアフォーラムで人気が高いのに」
「自分の思ってることなんて関係ない、身元を明かそうとしない大富豪に資金を提供してもらってる犯罪撃退精鋭チームが全部決めるんだから。えっと、つまり、4人のコア開発者がね」

この記事ではこういった感情に焦点を当ててみたいと思います。ライアン、アンドリュー、マーク、ピーターの4人と「チャーリーズエンジェルズ」の共通点は置いておくとしても、機能に関する決断がどのように行われるのかは取り上げておく必要があります。コミュニティとコア開発者チームとの間のコミュニティには、様々な構造があります。しかしたくさんの経路があるため、すべてを追い続けながら同時に開発にも集中するのは簡単ではありません。現状は以下の通りです。

#wordpress-dev IRC チャンネル (irc.freenode.com): IRC チャンネルは昔の方がもっと活発でした。最近では10-25人以上の人が集まることは少なく、何の動きもなく数時間が過ぎることもよくあります。質問が出て来るときは、コアのコードや機能にアプローチする最善の方法を話し合う場というよりは、あまり経験のない開発者やサイト管理者が助けを求める技術的な発言のことがほとんどです。コアに関する議論が起きても、時差のせいでログオフする人がいたりして、コア開発者がルームに入る前に話はフェードアウトしてしまいます。

wp-hackers メーリングリスト: ハッカーズメーリングリストは何千人ものコア開発貢献者、プラグイン開発者や、興味を持ちつつひっそりと会話を眺めている人たちなどの元に届きます。フックの使い方から、コアコードの変更の是否、他のリスト参加者の問題解決など、話題は様々です。このリスト内での会話は白熱して、失礼な発言につながってしまうこともあります。そういった理由から、このコミュニケーションチャネルをあまり積極的に使いたくないと思っている人もいるようです。

当開発ブログ (リンク先は原文の掲載された英語版): このブログの大半は「公式」の告知に使われます。また最近では、将来のバージョンに含まれるかもしれない内容についてのコミュニティの意見をコア開発者に届けるためのアンケートや投票にも利用しています。更新は不定期で、一日おきに新しい投稿があるときもあれば、数週間何もないこともあります。

wpdevel.wordpress.com: もうひとつの「公式」ブログです。ここではコアチームが作業中の大幅なコードの変更について投稿しています。これにより、プラグイン作者やコア貢献者に注意を促したり、新しいウィジェット API などのような特定の問題について話し合ったりする場を提供しています。

Trac: 現在行われている開発プロジェクトのためのチケットシステムは、コントロールがきかなくなってきています。すでに何百ものチケットが次回のリリースからは追い出され、それ以降のバージョンに向けて集まっています。このうちの多くはすでに現状とかけ離れてしまっています。Trac は皆さんがバグの報告や、コード変更の提案や、機能の要望や、方法論の議論をする場になってしまったという問題があります。これらのやり取りには、数年前のものもあります。このような広範囲なシステムの使い方のため、チケットを選り分け、バグを修正するのが難しくなっています。

アイディアフォーラム: アイディアフォーラムは誰でも新機能を提案し、他の提案を評価し、コメントをつけ、WordPress というソフトの将来について話し合うことができる場所です。しかし Trac のように、ここに含まれる内容には数年前の古いものもあります。評価システムの仕組みにより、古い項目が一覧のトップに居座ってしまうのです。機能や変更の実装が生む価値についての建設的な議論というよりは、単なる好みについての言い合いというだけのスレッドもあります。このフォーラムと Trac には、直接的なつながりがありません。

WordPress は、利用者であり開発者であるコミュニティの皆さんのおかげで成功しているといえます。同時に、プロジェクトに参加するのは難しい、コアチームやコミュニティ全体と対話する方法がよく分からない、という人もいます。上に挙げたチャネルには、参加し始めた人が圧倒されてしまうということもありますし、長い間参加してきた人には昔ほど個人が影響を持てないといういらだちを感じさせてしまうこともあるでしょう。私たちはこれを直さなくてはなりません。WordPress プロジェクトは、歓迎的で、貢献者が迷子になってしまわないようなものである必要があります。そして、コミュニティのメンバーの知識を高めるのに活用できるフィードバックを提供していかなけばなりません。

私たちは、一緒になってこの答えを見つけ出していくべきだと思います。このコミュニティの一員であるあなたは、利用できるコミュニティチャネルについて自分がどう考えているのかを知っているはずです。もっとうまく動くはずの仕組みをスケッチにして提案してくれた人もいます。アイディアフォーラムを Trac とリンクさせる?アイディア評価のアルゴリズムを変更する?一定期間のうちに解決しなかった Trac チケットをクローズする?なんでもすべて Trac でやってしまう?あなたはどう思いますか?より簡単な方法で開発の進行に遅れずついていき、様々な貢献の機会に深く関わっていくためには、どうすればよいでしょう?きっとご意見があるのではないでしょうか。

これから数週間、コミュニケーションと参加活動を改善するための皆さんの意見を集めていくつもりです。そして、WordPress を包括的なコミュニティとして成長させていくことができるような、アイディア・意見・フィードバックを集めるシステムの修正/構築に着手します。計画は以下の通りです。まず、IRC、フォーラム、ライブチャット、アンケートなどを通してアイディアを集めます。興味を持っている小さなグループを集め、候補となる方法を導き出します。これらの候補に対し、コミュニティに投票してもらいます。もし既存のシステムのリデザイン (例えばアイディアフォーラム) が必要ということになれば、コミュニティ内のデザイナーにレイアウトを作成してもらいます。それをベータ版としてテストし、予想していた通りに動くか調べてみます。その後公開し、新しいコミュニケーション・アイディア・フィードバックシステムでみなさんを幸せにします!

まずは…

このフォーラムスレッドを使ってこの記事についての提案を送ってください。どこに変更や改善が必要でしょうか?どのような仕組みにすべきでしょうか?その提案の中に、現在のチャネルをどうやって当てはめればよいでしょうか?

5月12日 (金) UTC 時間21時 (日本時間水曜日 午前6時) に #wordpress-dev IRC チャンネル (irc.freenode.com) に入って、コミュニケーション改善のための提案をしてください。私もそこにいて、メモを取り、質問に答え、良いアイディアが出てきたら追って質問をしていくつもりです。そしてその 1 時間後、WordCast Podcast に出演しこの問題について話をします。この番組では、視聴者の電話を受け付けられるように現在設定中です。もしうまくいけば、電話番号を IRC チャンネルに書き込みます。そう出なかった場合は、チャンネルで出てきた提案を私が読み、話し合っていきます。

この問題に関して参加できる機会は今後もっと増える予定です。それから、チャーリーズエンジェルズとコア開発者の共通点の調査結果についても後ほど 🙂