以下は、Jane Wells が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Help Stop SOPA/PIPA」を訳したものです。
この話題は主に米国在住のユーザーに影響のある内容となりますが、日本語で読めるリファレンスとしてお知らせします。
みなさんは改革の推進者になることができます。誰かにそう言われたことはありますか ? ないとしても、今、私があなたにその言葉を贈りましょう。本気で言っているのです。
普段、WordPress 公式プロジェクトでは政治的な話題は避けるようにしています。幅広い政治的視点を持ったユーザーが世界中にいるということは、私達がパブリッシングの民主化に協力できているという証です。また、個人的な意見の違いがどれだけあってもユーザーを排除したくはないという姿勢の現れでもあります。しかし今回はそのルールを破り、あることをお知らせしたいと思います。なぜなら、現在米国の政治で起こっていることは私達に大きく影響を与えることであり、よく理解する必要があるからです。
WordPress を使って、昔なら個人的な日記などに書くだけだった (またはまったく話したり、作ったり、共有したりはしなかった) ようなことをブログやサイトに書き、オンラインでコミュニケーションすることは、あなた自身がウェブの独立 (非依存) や、パブリッシングの民主化という近代史における大きな改革の一部になるということです。気の利いた政治的な考えを書いていようが、猫の面白い写真を投稿していようが、「公開」ボタンをクリックするたびに、あなたはその改革に参加しているのです。もし、ウェブが自由で独立した存在ではなくなってしまったらどう思いますか ? 私は今、ウェブの自由を脅かす法案を危惧して心底怯えています。近代史上もっとも大きな改革の参加者であるあなたも、同じように感じるべきだと思っています。
SOPA (Stop Online Piracy Act、オンライン著作権侵害行為防止法案) について他の人が話したり、ブログや Twitter に書いたりしているのを聞いたことがあるかもしれません。最近起こった ドメイン登録業者 GoDaddy に対する SOPA 関連のボイコットは大きなニュースになりました。その際に多くの人が SOPA の可能性について怒りを表していましたが、似た法案であり現在上院で協議が行われている PIPA (Protect IP Act、IP 保護法) についてはその目的や結果についてよく知らない人がほとんどでした。SOPA/PIPA が怖いと思っていないのなら、これからの数分間 Facebook のステータスや Twitter のメンションをチェックする代わりに、Fight for the Future の作成した以下の動画を見てみてください (クリックすると動画再生サイトへ移動します)。

- 米国の法律制度では立証責任は原告にあり、有罪と証明されるまではその人は無罪であるということになっています。もし法案が通ってしまったら、この考え方はウェブ上では通用しなくなってしまうようです。非難されただけで、企業がサイトを停止することもできるからです。
- 法律は PHP コードの集まりのようなものではありません。誰かがもっと良い方法があるとふと気づいても、簡単に違う形にひっくり返すことができるわけではありません。この法案ほど広く影響があることを簡単に法律にすべきではありません。
- これらの法案を書いた人たちは、自由なウェブ (インディペンデント・ウェブ) を創ったり守ったりしようとしている人たちではありません。私たちは自ら声を上げる必要があります。
ブログを書くことはアクティビズムのひとつの形といえます。行動に移すことには何の意味もないと言ってくる人もいます。オンラインの署名や、議員への電話や、その他のアクションは誰の考えも変えることはできないと信じている人もいます。特に、ロビイストの献金によって心を決めている人の考えなんて変えられない、と。そんな人に私は、マーガレット・ミードのこの言葉を繰り返したいと思います。
思慮深く熱心な市民たちの小さな集まりが世の中を変えられるということを疑ってはいけない。実際、そういう人たちだけが世の中を変えてきたのです。
私達は決して小さな集まりではありません。6000万人以上のユーザーが WordPress を使っており、Web 上の15%のトップサイトが WordPress でできていると言われています。私たちも世の中に影響を与えることができるはずです。改革の一部を担うことができるはずです。Stop American Censorship サイトで、あなたもすばやく簡単に行動に移す方法を知ることができます。議会の投票は1月24日です。その前に、さらに41名の議員に意見を変えてもらうことが必要です。あなたの声を届けてください。お願いします。