以下は、Hugh Lashbrooke が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「The Month in WordPress: June 2017」を訳したものです。
誤字脱字誤訳などありましたらフォーラムまでお知らせください。
このブログで新しい特集記事を開始しました。WordPress のオープンソースプロジェクトを通じたすべての出来事について皆さんに最新の情報を提供し、どのように参加できるかをお知らせしたいと思っています。そこで、毎月の最後に主要な WordPress ニュースをまとめて紹介していきます。
一般ニュースとは別とすると、6月の3大イベントは WordPress 4.8 のリリース、WordCamp ヨーロッパ 2017、WordPress コミュニティサミットでした。これらについて、またその他の WordPress 界隈の興味深いストーリーについては以下をお読みください。
WordPress 4.8
WordCamp ヨーロッパでのコミュニティサミットの1週間前となる6月8日に WordPress 4.8 がリリースされました。このリリースのすべての機能の概要については、「Field Guide」を参照してください (ダッシュボードの「ニュースとイベント」ウィジェットは主要なハイライトのひとつです)。
ほとんどの人の場合、バージョンが自動更新されているか、ホスティングサービスが更新を行っています。これまでのところ、アップデートは順調に進んでおり、現在まで大きな問題は報告されていません。
この WordPress のリリースでは346人からの貢献がありました。この方たちの名前は、告知記事でご覧いただけます。WordPress コアの構築に参加するには、“Making WordPress” Slack グループの #core
チャンネルに入り、コアチームのブログをフォローしてください。
WordCamp Europe (ヨーロッパ) 2017
WordCamp Europe 2017 が6月15日から17日までの間、パリで開かれました。このイベントはコントリビューターデイから始まり、その後2日間セッションとコミュニティのさまざまなイベントが続きました。セッションはライブストリーミングされましたが、WordPress.tv ではすべての録画を見ることもできます。また、主催者チームはこのイベントについての役立つ要約記事も発表しました。
WordCamp Europe は世界中の WordPress コミュニティーを引き合わせるため、そして各地のコミュニティが独自のイベントを企画することを刺激するために存在しています。多くの勉強会グループが WordCamp Europe の後に誕生したことを見ると、この目的に対して同イベントは成功したといえるでしょう。
コントリビューターデイ参加者が達成した成果は WordPress プロジェクトのすべての側面を網羅しており、幅広く、価値があるものでした。各チームの Make ブログ更新をぜひ見てみてください。
最後に、今回のイベントの間に来年の WordCamp Europe 2018 がセルビアのベオグラードで開催されるということも発表されました。ヨーロッパ大陸で異なる地域やコミュニティがこのイベントを引き継いでいく伝統は続いていきます。
WordPress コミュニティサミット
WordCamp Europe 2017 までの2日間、4回目のWordPress コミュニティサミットが開催されました。このイベントは招待制のアンカンファレンスで、様々な WordPress コミュニティの人たちが集まって、コミュニティにおける複雑な問題の一部について議論したり、それぞれの貢献チームでの今後1年間の計画を立てたりしました。
サミットがすべての出席者にとって安全な場所となるように、それぞれの議論からのメモは、サミットブログに掲載する前に匿名化の処理を行っています (ですので、今後の情報をお待ちください。これから数週間の間に掲載されるでしょう) 。
このイベントで提案されたトピックの最終リストはここで見ることができます (ただし、2日間のサミット中に追加されたものもいくつかあります)。
WordPress マーケティングの継続的推進
マット・マレンウェッグによる2016年の「State of Word」スピーチで触れられた、WordPress のマーケティングをさらに意図的に推進していく動きの一部として、マーケティング・チームは2つの重要な活動を立ち上げました。WordPress を使用しているユーザーがどんな人達なのか、そしてその情報が彼らへの援助とメッセージングの取り組みをどのように形作るか、といったことについて、より詳しい情報を得ようとしています。
同チームは WordPress のケーススタディを募集しており、ユーザー・エージェンシー・フリーランサーに対して WordPress の使い方に関するアンケートに回答してもらうようお願いしています。これは、プラットフォームとして、そしてコミュニティとしての WordPress のマーケティング基盤を確立するのに大いに役立つはずです。多くのコミュニティメンバーは、この分野のさらなる発展を楽しみにしています。
WordPress マーケティングチームに参加するには、チームブログへどうぞ。
Gutenberg エディタのテスト開始
しばらくの間、コアチームは WordPress 用のまったく新しいテキストエディタを作るために努力してきました。このプロジェクトは「Gutenberg (グーテンベルク)」と名付けられています。最終的なゴールは今ある TinyMCE エディタを置き換えることですが、現在のところベータ版となっており、パブリックテスト向けに利用できます。プラグインとしてダウンロードし、WordPress サイトにインストールしてみてください。
機能はまだベータの段階ですので、本番サイトで使うことはおすすめしません。でもテストをすれば、WordPress で今まで慣れていたのとはまったく違う体験であることに気づくと思います。以前よりもっとスムーズで、完全にクリーンなテキスト編集への取り組みで、当然ながら多くの人達がこれにワクワクしています。マット・マレンウェッグは、WordCamp Europe での Q&A で Gutenberg の目的について詳しく語っていました。
すでに、Kinsta の Brian Jackson、Aaron Jorbin、Matt Cromwell などがレビューを書いています。忘れないで欲しいのは、このプロジェクトは現段階では絶えず進化している状態だということです。最終的に WordPress コアに含まれるようになる時 (おそらく、バージョン 5.0) には、現在のイテレーションとはまったく違うものになっているかもしれません。だからこそ、ベータ段階とユーザーテストが重要なのです。
Gutenberg の未来を形作るプロセスに参加したい方は、テストをし、“Making WordPress” Slack グループの新しい #core-editor
チャンネルに入ってください。または、プロジェクトの GitHub レポジトリで問題をレポートしたり、コードに貢献してください。
さらに読む
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- WordPress.org、WordPress.com、Jetpack の違いについての Twitter でのちょっとした議論の後、Helen House-Sandi は素晴らしいアナロジーを思い付き、興味深い記事を公開。
- WordPress コアのコードベースでの JavaScript や PHP といった領域に特に貢献したいなら、“Making WordPress” Slack グループの新しい
#core-js
と#core-php
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