WordPress 3.0 ベータ 2

以下は、2010年5月6日に Peter が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress 3.0, Beta 2」を訳したものです。リンク先はすべて英語です。


WordCamp サンフランシスコの後に行われたコードスプリントは成功のうちに終了し、WordPress 3.0 の2つ目のベータ版が用意できました。

テストしていただきたい点:

  • メニューのユーザーインターフェース改変
  • WordPress エクスポート、インポート機能の柔軟性向上

ベータ版にスイッチできるテストインストールサイトがすでにある場合は、ベータテスタープラグインをご利用ください。

テスターの方は、バグを見つけたら wp-testers メーリングリストを使うのをお忘れなく。

皆さんに気に入っていただけることを願っています ! でももし気に入らない場合は、RC (リリース候補) 版が出るまで待っていてください。:)

では、WordPress 3.0 ベータ 2 英語版をどうぞダウンロードしてください !


訳注:
日本語版は現在作成中です。少々お待ちください。

バグ報告は、Trac もしくは日本語フォーラムの 「開発版」トピックまでお願いします。また、日本語版パッケージの作成は日本語版チームメーリングリストにて行っています。


追記 (5/12): 3.0 ベータ 2 の日本語版が利用可能になりました。ぜひテストにご協力ください。

バグ報告は、Trac もしくは日本語フォーラムの 「開発版」トピックまでお願いします。また、日本語版パッケージの作成は日本語版チームメーリングリストにて行っています。

Beta 2 に向けて: スプリント!

以下は、2010年4月24日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Coming up on Beta 2: Sprint!」を訳したものです。


WordPress 3.0 の最終バージョンへ一段階近づく2つめのベータ版リリースを来週前半に計画しています。まだ 3.0 マイルストーンには200個以上のバグチケットがあり、これらの問題の修正を手伝ってくれる方はすべて歓迎します。開発者の皆さんは、3.0 のまだ修正が必要なバグをチェックしてみてください。そしてパッチを書くか、他の人のパッチのテストを行いフィードバックをしてください。特に、カスタム投稿タイプやタクソノミー関連では多くの協力が必要です。

ちょっとしたことを手伝ってくれるだけでも助かりますので、今まで貢献した事がないという開発者の皆さんにはこれが良い機会かもしれません!WordPress コアへの協力について読んでから、Trac へ行って修正を手伝える問題がないか見てみましょう。分からないことがあったり、一緒にやってくれる人が必要だったり、修正へのアプローチについてアドバイスが必要だったら、irc.freenode.net の #wordpress-dev 開発チャンネルへどうぞ。週末の間、自分たちでもバグ修正作業に取り組んでいるコア貢献者がいるはずですので、協力してくれる方は躊躇せず質問してみてください。皆さんがヘルプしてくれれば、月曜にはバグの数を半分くらいまで減らせるかもしれません。そうなったらかなりすごいですね。

このバグ修正スプリント(追い込み作業)は月曜の午後くらいまで続きます。その時点で開発リーダーとコア貢献者は一旦手を止め、残っているバグレポートを眺めて週末の進み具合を確認します。ですので、急いでがんばりましょう!ありがとうございます!

安全なファイルパーミッションの重要性

以下は、2010年4月13日に Matt が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Secure File Permissions Matter」を訳したものです。


概要: 適切でないサーバー設定を行っていたホスティングサービスの一部のサーバー上で、他のユーザーの設定ファイルを読み取れるようになっていました。一部の「セキュリティ」記者が、これを「WordPress 脆弱性」のストーリーに仕立て上げようと試みました。

WordPress は 他のあらゆる Web アプリケーションと同じように、データベース接続情報を平文でテキストファイルに保存します。暗号化証明書は意味がありません。なぜなら、データを解読するためには暗号解除用のキーも同じく Web サーバーが読み取れる場所に保存しなくてはならないからです。

今回のケースでおそらくそうだったように、悪意あるユーザーがファイルシステムにアクセスできる場合、キーを取得して暗号化を解読するのは容易なことです。ドアノブに鍵を差したままにするのなら、鍵をかけても意味がありませんよね。

正しく設定された Web サーバーでは、ファイルのパーミッションには関係なく他のユーザーのファイルにアクセスできるようなことはありません。Web サーバーの設定は、ホスティング提供者が責任を持つべきことです。これを行う方法(suexec など)は、5年以上前から存在しています。

ここでは問題となる記事にリンクはしません。あまりにも事実と異なる情報だらけで、読めば読むほどバカげているからです。

Web ホスティングサービスを運営している側が、不正なファイルパーミッションの問題を WordPress のせいにするというのは、明らかに間違ったやりかたです。

P.S. Network Solutions さん、「Word Press」ではなくて、正しくは「WordPress」ですよ。

WordPress 3.0 ベータ 1

以下は、2010年4月3日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress 3.0, Beta 1」を訳したものです。リンク先はすべて英語です。


ベータテスターの皆さん ! お待ちかねのWordPress 3.0 ベータ 1 が登場しました !

これは早期ベータ版です。これが何を意味しているかというと、まだいくつか仕上げに掛かっている点があるということです。みなさんに週末にテストをしてもらいたかったので、すべてが完成して磨きあがった状態になるまで1週間待つよりも今のうちにベータ版をリリースしたかったのです。3.0ではたくさんの変更が加わっていますので、今回チェックして欲しいことのリストを公開したいと思います。これで、確認が必要な部分をすべてカバーしてもらえるはずです。

知っておくべきこと

  • カスタムメニューシステム (外観 > メニュー) はまだ完成ではありません。ベータ2ではレイアウトが変わり、多くの機能改善が加わるでしょう。しかし、この一画面のために全てを保留にはしたくなかったのです。カスタムメニューの作成を触ってみて、バグを見つけたら報告してください。ただし、これは最終的な画面の表示と動作とは異なるので、そこにはあまりこだわらないようにお願いします。
  • MU 統合 ! そうです、WordPress と WordPress MU は統合されました。これは、通常の WordPress ダッシュボードから突然新しいブログを追加できるようになるというわけではありません。複数サイト関連の「特別管理者 (仮訳。= Super Admin) 」の機能をテストしてみたい場合は、いくつかのステップ (日本語訳) が必要です。
  • 機能関連のコードを先に仕上げるようにしたため、インターフェースの細かいところはまだ調整中です。例えば、特別管理人のアイコンはまだ準備中になっています。

テストする点:

  • 新しいデフォルトテーマ、Twenty Ten (トゥエンティテン) を触ってみてください。カスタム背景・ヘッダー設定などがあります。
  • カスタム投稿タイプ機能が強化されています。新しい投稿タイプを追加するのはとても簡単ですので、実際にやってみて、どんなふうになるかチェックしてください !
  • 既存の WordPress MU ユーザーは複数サイト機能をテストして、統合によって壊れた点がないことを確認してください。

ベータ版にアップグレードしたいテストブログを既にイントールしているという方は、ベータテスタープラグインをお試しください (訳注: WordPress Beta Tester でプラグイン追加ページから検索するか、プラグインディレクトリでダウンロードできます。プラグインは日本語化済みです) 。

テスターの皆さんへ。見つけたバグについて話しあうには wp-testers メーリングリストをお忘れなく (訳注: 日本語でのディスカッションは、日本語版メーリングリストまたはフォーラムの開発版トピックにてどうぞ) 。

みなさんが気に入ってくれることを願っています ! もしそうでない場合は、ええと、ベータ2の準備ができるまでお待ちください。:)

WordPress 3.0 ベータ 1 英語版を今すぐダウンロードしてみましょう !


追記 (4/8): 3.0 ベータ 1 の日本語版が利用可能になりました。ぜひテストにご協力ください。

ベータ版のため、まだ未翻訳の部分や今後変更になる部分があります。また、一部機能についても完成していないところがあります。

バグ報告は、Trac もしくは日本語フォーラムの 「開発版」トピックまでお願いします。また、日本語版パッケージの作成は日本語版チームメーリングリストにて行っています。

Summer of WordPress 2010: 第二幕

以下は、2010年3月29日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Summer of WordPress 2010: Act II」を一部省略して訳したものです。

訳注: Google Summer of Code (Wikipedia 日本語版) は Google が2005年から毎夏行っている学生向けのプログラミングイベントです。


大学の教室にて (以下は架空のストーリーです):

教授: ということで、クラスの20人のうち半分が A 判定を満たす WordPress Summer of Code の提案を書いてくれた。プログラムに申し込むのは何人くらいいるのかな ?

ジャック (生徒): おれはやるよ。申し込み始まったよね。

ソフィー (生徒): わたしも。あと、あんたって言葉遣いめちゃくちゃよね。

ジャック: 黙れよ。

クリス (生徒): 僕は申し込まないね。

ジャック (クリスへ向かって): 臆病者だから ?

ソフィー: むかつくわね ! 夏のバイトがもう決まってるとかそういうことかもしれないじゃない、考えた事ないの ?

教授: まあまあ。

クリス: 実は父さんとオーストラリアにバックパッキング旅行に行くんだ。旅行中半分くらいの間はインターネットがつながらないから WordPress の人たちにメールしたんだけど、期間中ずっとオンラインになれるよう来年申し込んだほうがいいと思うよって言われたから。

教授: そうだね。それがいいだろう。申し込みはもう開始されてて、4月9日 (UTC) が締め切りだ。じゃあ、申し込む人達の話を聞いてみようか。

ソフィー: wp-hackers メーリングリストに参加して、コア貢献者にアイディアのフィードバックを尋ねたわ。それからメンター (指導者) になってくれる見込みがある3人にメールして、個人的にどう思うか聞いてあるから、申し込みするときにはコミュニティとメンターのフィードバックをもとに書き直した提案書を出すつもり。それに、いろんな人に私が自発的に参加しているのを知ってもらえるから、申し込みが受理される可能性も高くなるはずね。

教授: ソフィーの言うとおりだね。コミュニティの参加者やメンターと話をすることで提案を受け入れてもらう可能性は高くなるはずだ。ジャック、君も IRC チャットやメーリングリストに参加してみるといい。今からでも遅くないし、参加者が確定したあとも提案を少し変更するのはよくあることだ。

(二幕目終了)

申し込みは先週すでに開始しています。早めに申込むことで注目を集められることは事実ですが、アイディアやアプローチをコミュニティやメンターから入念にチェックしてもらうのも大事なことです。まだ参加していないなら、wp-hackers メーリングリストに入って提案に対するフィードバックをもらいましょう。

また、受付期間中には何度か IRC チャットを行って、生徒さんたちがメンターと直接話せるようにします。メンター全員がすべてのチャットに参加するわけではないので、特に話したい人がいる場合は事前にメールするようにしてください。1時間のスケジュールで複数の生徒さんたちに対応しなくてはならないので、チャットには時間通り参加するようにお願いします。IRC チャットは irc.freenode.net の #wordpress-gsoc ルームで開催されます。

  • 4月1日(木)午前5時30分/20:30 UTC
  • 4月4日(日)午前6時30分/21:30 UTC
  • 4月8日(木)午前5時30分/21:30 UTC

このチャットルームは申込期間中ずっとオープンしており、メンターやコミュニティ参加者が質問に答えてくれるかもしれません。ただし、決まった時間に予定されているのは上記の3回のみです。

それから、WordPress Summer of Code の宣伝をしてくれるなら、PDF 版のチラシを印刷して大学の掲示板などに貼ってみてください。教授の皆さん、優れた生徒さんたちの申し込みを応援してあげてくださいね !

Summer of WordPress 2010: 第一幕

以下は、2010年3月21日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Summer of WordPress 2010: Act I」を訳したものです。

訳注: Google Summer of Code (Wikipedia 日本語版) は Google が2005年から毎夏行っている学生向けのプログラミングイベントです。


大学の教室にて (以下は架空のストーリーです):

教授: 今年、Google Summer of Code (GSoC) に応募する者はいるかね ? もしいれば、授業のあと私のところに来なさい。自主研究として単位を与えられるかどう検討しましょう。

ジャック (生徒): それって選ばれるのがすごく難しいプログラムなんじゃないんですか ? Modern Warfare 2 でレベル70くらいの難易度でしょ ?

ソフィー (生徒): 私なんて70は超えてるわよ。一流並みね。

ジャック: (ソフィーへ向けて) うるさいな、うそばっかり !

ソフィー: ほんとだもん !

教授: ほらほら君たち、関係ないだろ。で、誰か GSoC に挑戦してみる者はいないのか。

アンドレア (教授助手): 今年もいいオープンソースプロジェクトがいくつか参加してますよ。誰かこのクラスから WordPress プロジェクトに参加してくれたらいいんですけど。

ジャック: WordPress いいよね。でも去年、友達のビリーは選ばれなかったんだよねー。

ソフィー: ビリーは自分で思ってるほど頭良くないわよ。

ジャック: じゃあ、自分の方ができるって思ってんの ?

ソフィー: そりゃそうよ ! サルでもビリーとかあんたよりましでしょ。

ジャック: なんだよ、コード書きで対決したら俺が勝つに決まってるだろ。

アンドレア: 教授、なかなかフレンドリーなクラスの競争が発生しているようですが…。

教授: アンドレア、君の言うとおりだね。君たち、よく聞きなさい。4月26日に合格した生徒が発表されるらしいんだが、これは学期終了前だ。クラスのプロジェクトとして取り組んでみないかね ?

ジャック: (いぶかしげに) どういうことですか ?

教授: クラスの課題として、1週間以内に全員でそれぞれ Google Summer of Code の WordPress に関するプロジェクト提案を書く。これは通常の課題と同じように採点しよう。A を取った者は、GoSC プロジェクトに応募するとき、私の名前を照会先として書いて良い。応募の締切は4月9日だから、課題を採点したあとに修正を入れる時間もある。

ソフィー: なにかもらえるんですか ?

アンドレア: GSoC を夏の間に無事完了したら、$5000 もらえるわよ。

ソフィー: (ジャックに対し、にやにやしながら) 市役所の横でホットドッグ売るより高給じゃない。

ジャック: そうだといいけど。よし、挑戦してみる。今年はお前がホットドック売ることになるだろうよ。

教授: それから最初に言いかけたように、GSoC プロジェクトは自主研究の単位として認めるつもりだ。そうだな、おまけとして、WordPress GSoC プログラムに実際に応募して合格したら、年度末の平均点にも追加単位をやろうじゃないか。

ソフィー: (目を光らせて) ほんと ? 私もやるわ !

ジャック: ありえない。俺の方が選ばれるに決まってる。

これから Google Summer of Code の WordPress プロジェクトに応募するジャックとソフィーの冒険を引き続きお楽しみに。


WordPress は 今年 Google Summer of Code に参加している150のオープンソース組織の一つであることを誇りに思います。学生の皆さんは夏の間、WordPress コア開発者の指導を受けながらプロジェクトに取り組みます。そしてプロジェクトを完成させた場合には、Google が$5000を支払ってくれます ! みんなにとってメリットがありますね。昨年のプロジェクトの結果、とてもいいコードがいくらかできました。例えば 3.0 に向けて完成を目指している新しい検索 API や、Elastic テーマジェネレーターなどです。

先生方へ: 私たちや学生さんのために、GSoC を告知して応募を応援してあげてください。WordPress のプラグインを書いたり、コア用パッチを書くクラスの課題を出してコードベースを知るきっかけを作ることを検討してください。夏季自主研究のアドバイザーとしての登録を申し出てあげたり、GSoC の作業に対して単位を与えてあげてください。

学生さん: アイディアページを見て、提案したいプロジェクトについて考え始めてみましょう。このブログに今後ライブチャットセッションの情報を公開します。チャットでは、指導者(メンター)候補の開発者に質問したり提案へのフィードバックをもらえます。

このプログラムは全員が参加できるわけではありませんが、プログラミング関連ではもっともすばらしい機会の一つと言えるでしょう。オープンソースコミュニティの一員として、実践的な経験を積むことができる上に、なかなか悪くない対価の見返りもあります。業界のリーダーと知り合いになれますし、Google からの注目も受けけられます。もちろん、かなり自慢できるというのはいうまでもありません。さあ、もう待つ必要はありません。応募受付は3月29日から4月9日までですので、プロジェクトについて考え始めてください !

メニュー、MU 統合、パッチスプリント!

以下は、2010年2月23日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Menus, the Merge, and a Patch Sprint!」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


3.0 開発サイクルからのレポート

メニュー

WooThemes カスタムナビゲーションを WordPress コアに入れる件についてたくさんブログが書かれていますので、公式に告知するべき時期だと思っています。私たちは、バージョン 3.0 のユーザー向けのメイン機能として、サイトのナビゲーションメニュー管理システムの改善を含めたいと考えました。

現在、メニューの取り扱いはとても面倒です。固定ページ ID を使ったり、テーマによってはカテゴリーを使ったりする必要があります。私たちはメニューシステムに、ウィジェット管理画面のように簡単なドラッグ&ドロップ機能があればいいなと思いました。さらに、固定ページ・カテゴリー・リンクをメニューに含めることができて、並べ替えやサブメニューも利用でき、特定のページやカテゴリーをメニューから除外しやすくできればというように考えました。

私たちがこの機能について話しあっている頃、WooThemes がカスタムナビゲーションシステムの告知をしました。彼らのサイトの紹介動画を見ていたら、このシステムがコアに求めていることをほとんどカバーしていることに気づきました。そこで、WooThemes の制作者にコアへの貢献をしてくれないかと連絡しました。

もう耳にしたかもしれませんが、これはうまくいって、最初のパッチが投稿されました。まだコードの編集が少し必要ですが、これは現在実装中です。Woo のメニューをコアに導入するという決断は、もともと計画していた 3.0 の機能フリーズ期限の直前に起こりました。そこで、この追加を可能にするため期限を2週間先に延ばすことにしたのです。現時点では、3.0 のリリースは5月前半を予定しています。2週間延びたぶんだけの価値はあると思っています。

個人的に、この件がうまくいったことについてとても嬉しく思っています。なぜなら、これは商用テーマやプラグイン作者がコアに貢献することによってお互いにメリットがあるということの証明となるからです。コアへの導入により、さらに多くの人が基本的な機能のコードへの貢献や改善を行うことができるようになりました。WooThemes はその成果を利用し、商用テーマのお客さんのために引き続きイノベーションを行えます。WooThemes にとっては非常に大きな自慢の種になりますし (これで、もっと多くの利用者を獲得できることは間違いないでしょう)、コア開発者は車輪の再生産を行うことなく、よくできたメニューシステムを取り入れられます。そして、世界中の WordPress ユーザーはみんなその恩恵を受けられます。他のプラグインやテーマ開発者もこういった Woo の行動をきっかけに、コア開発を競争の場ではなくコラボレーションの場として見てくれるようになればと願っています。

MU 統合

昨年の WordCamp サンフランシスコで告知された通り、WordPress と WordPress MU のコードベースが統合される予定です。これは 3.0-alpha バージョンですでに実装されており、現在バグ修正や画面の整理を行っています。

現在シングルインストール版の WordPress を使っている場合、バージョン 3.0 へのアップグレードを行っても複数サイトのネットワークを運営するための新しい画面が表示されることはありません。WordPress MU を使っている場合、アップグレード後には一部のインターフェースのラベルが変わったことに気づくかもしれませんが、アップグレードは通常通り、大変ではないはずです。もし新規に WordPress をインストールする場合は、設定時に一つのサイトを作るか複数のサイトができるようにするか選択するだけなので、とてもシンプルです。シングルインストール版を複数サイト対応版に変更したい場合は、そのためのツールを用意します。

ということで、統合について不安だった方はカモミールティーでも飲んでリラックスしてくださいね。ご心配なく、大丈夫です。:)

パッチスプリント!

では、これからは?新しい機能フリーズの期限は、2010年3月1日 (月) です。つまり、この日以降は改善項目や機能を新しく追加することはありません。そして、気持ちを切り替えてバグをつぶし、すでにコアにある機能を修正することだけに集中していきたいと思います。

これが何を意味しているかというと、3.0 マイルストーンの Trac チケットでパッチやパッチのテストが必要なものをできるだけ早くクローズするにはそれまでしか時間がないということです。みなさんの協力をお待ちしています!これから UTC (協定世界時) 3月1日午後5時 (日本時間3月2日午前2時) までに、Trac へ行って手を貸してください。もしわからないことがあったら、irc.freenode.net の #wordpress-dev コア開発チャンネルに入れば、他のフレンドリーなコア貢献者が答えてくれるかもしれません。

モバイルアプリでどこでも WordPress

以下は、2010年2月17日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress On The Go」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


レジの列で待っている時、歯医者さんで呼ばれるのを待っている時、ソイ・チャイが出来上がるのを待っている時など、待ち時間にコメントの管理をするのが好きです。どこに行くにもラップトップパソコンを持ち歩いているわけではない (*) ので、モバイルアプリでこれができるのがとても気に入っています。他のブログプラットフォームで、iPhone、Android、そして Blackberry に対応しているものはないと思います。

iPhone アプリは現在バージョン 2.2 で (注: iPhone アプリと WordPress コアとの開発サイクルは別々なので、バージョン番号は対応していません)、AndroidBlackberry アプリはまだ出たばかりです。これらのアプリでは、ブログ投稿を書いて下書きとして保存したり、公開したり、コメントを管理したり、モバイルデバイスでブログに写真を投稿したり (Blackberry では動画も!**) できます。各アプリの外観は以下でご覧下さい。

Screenshot of WordPress mobile apps

「Nokia はどうなの?」と、気になっている方へ。モバイルプロジェクトを監督しているラーナン・バー・コーエン氏から、最近こんな告知がありました。

楽しみなお知らせがあります。数週間以内にオープンソースの公式 Nokia アプリのベータテストを公開する予定です。参加に興味のある開発者の方は、公開したばかりの Nokia アプリ開発ブログでプロジェクト詳細やソースコード・Trac チケット・アルファ版ビルドへのリンクをチェックしてみてください。Qt のフレームワークを利用しているので、S60 および Maemo プラットフォームにも対応する予定です。

すばらしいですね!

参加方法

これらの WordPress アプリはすべて無料でオープンソースで、WordPress 本体と同じような体制で開発されています。つまり、誰でも参加できるということです!もしモバイル開発の技術をお持ちで、参加してみたいとお思いなら、大歓迎です。以下のリンクをご利用ください。

言語対応: WordPress ユーザーは世界中にいます。ここでご紹介したモバイルアプリは複数の言語でご利用いただけますが、もっと多くの人に使ってもらうためにボランティアの方の協力が必要です。WordPress のモバイルアプリローカリゼーションに興味のある方は、翻訳チームに連絡してください。翻訳方法を返信します。

アプリの入手

それでは、お好きなプラットフォームのアプリをダウンロードしてください。そのうち「レジ待ちの列が遅い!」というような一言を待ち時間の間に簡単に投稿できます。

*ええっと、実は私はラップトップパソコンをどこにでも持って行きますが… でも待ち時間にはバッグにいれたままなんですよね。
** iPhone と Android アプリの動画も近いうちに公開予定です。

WordPress 2.9.1 リリース候補 1

以下は、2009年12月29日に Ryan が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress 2.9.1 Release Candidate 1」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


2.9.1 ベータ 1 をテストしてくださったみなさん、ありがとうございます。続いて、リリース候補 1 をご案内します。RC1 にはさらにいくつかの修正が含まれ、23 のチケットが修復されました。すでにベータ 1 をお使いなら、管理画面の「ツール」->「アップグレード」で RC1 にアップグレードできます。また、RC1 パッケージをダウンロードして手動でインストールすることもできます。すべてが順調に進めば、2.9.1 は間もなくリリースされます。

要件定義の設定

以下は、2009年12月25日に書かれた WordPress.org 公式ブログの記事、「Setting Scope」を訳したものです。リンク先は英語ページです。


先日行ったコアコミッターのミーティングで話し合った話題の一つに、リリース要件定義(およびその変更、「スコープクリープ」)がありました。現在 WordPress は 2.9 のリリースが済んで、3.0 について考え始める時期に入っています。そこで、一気に取りかかる代わりにここで立ち止まって一息つき、事前計画を立てるのが良いのではないかと思っています。今までの場合、各リリースサイクルの間にいくつか新機能を含める選択をした後も、機能フリーズ(またはベータサイクル)の直前まで機能リクエスト、改善用パッチ、継続的なバグリポートが投稿され続けていました。これにより各リリースを計画よりも遅く公開することになり、あまりにもたくさんのことが起こっているため、新しいバグをとらえるのがどんどん難しくなってしまっていました。

このようにフリーズぎりぎりまで色々と追加していく形態は、うまく機能しているとは言えません。メイン機能以外に色々と変更を加えたり、変更をすべてテストする必要があることで、ゴミ箱や画像編集などの新機能が導入されるまでに何ヶ月も余分に待つことになってしまいました。もしリリースごとに含める機能を少なくすれば、新機能をもっとすばやく取り入られるようになるはずです(ゴールは年3回のリリースです)。また、より集中的なベータテストを行うことでリリースをさらに完全なものにできるはずです。

これは簡単なことではありません。皆さんそれぞれお気に入りの機能や修正して欲しいバグがありますし、パッチがあるなら次のリリースを待つよりも今回含めてしまえばいいのに、という考えもあるからです。しかし「パッチが数週間や数ヶ月もコミットされないままだ」という不満を聞くことはあっても、「パッチが新規のバグを引き起こすこともある」という声は耳にしません。また、同時にいくつものパッチを追加することで、様々なプラットフォームの異なるホスティング環境などでのテストを完全に行うのがより難しくなっていきます。そこで、この問題に対する私たちの提案は以下の通りです。

プロジェクトマネジメント界の先例に従い、開発サイクルをスタートする前にプロジェクト計画を立てます。皆さんに機能や改善点を提案してもらい、限定したものを 3.0 に含めます(今回は特に厳しい制限が必要になります。WordPress と WordPress MU の統合は、それだけでかなりの作業量になるからです)。その後、現実的なリリース日を設定し、それまでに必ずリリースを行います。今後2つのリリースに対して暫定的な機能セットを決定し、次回のサイクルの最初に再度評価することで、現在次バージョン以外のチケットすべてにつけている曖昧な「future release(将来のリリース)」ラベルとは異なり、コミュニティとして特定の機能にコミットしていることが皆さんに分かるようになります。

また、ごく一部のケースで発生するバグや、説明不十分だったり再現できないバグにフォーカスする前に、再現性があり多くのユーザーに影響があるバグを修正します。誰かがごねて別の方向性を示したからからといって、みんなで合意したゴールから注意をそらすようなことがないようにします。もちろん、不意に予想しない事態が発生することもあるでしょう。しかし、次回のリリースに予定していなかった変更を滑り込ませないように、私たちはもっと努力しなくてはなりません(もちろん、私自身にも罪はあります… ユーザーエクスペリエンスに関わる一人として、すべてを一度に改善できればいいのにといつも思ってしまうんです!)。

オープンソースプロジェクトとしては、みんながそれぞれ独自の方針に従うよりも、一緒に動いた方がたくさんのことを成し遂げることができます。私たちは一般的かつ合意済みのゴールにフォーカスした状態を保ち、コミュニティのメンバーがプロジェクトを関係ない方向へ誘導していくことを避けなくてはなりません。その方向が、誰もが好むすばらしいアイディアであろうと、個人的な方針に基づいた提案であろうと関係ありません。また、よく状況を知らない新米ユーザーによる意見か、説得力があって声高な貢献者やコミッターからの意見かというのも関係ないのです。問題は、ゴールへのフォーカスを保つのが簡単ではないということです。だからこそ、脱線せずに前に進んでいくことができるシステムを構築していく必要があります。例えば Trac で現在の開発サイクルで確定した機能やバグリポート以外のチケットを除外し、新機能や提案は他のマイルストーンに切り分けるといったことです。

私たちは、こういったこと試すだけの価値はあると思っています。2010年に IRC の開発チャットを再開する際、最初に話し合うのは 3.0 の要件定義です。含める内容についてだいたいの合意が得られたら、適切な Trac チケットを作成し、3.0 向けではない機能リクエスト/改善についてのチケットは将来のリリースへ回します。こうすることで、3.0 の開発に集中できます。現在のマイルストーンに対するバグリポートは引き続き投稿されるはずなので、簡単ではありません。コアに含めたいと思っていながら過去に何度も先延ばしにした機能が最低でも10数個はありますが、今回の試みのためには「プラグインで実現できる」というふうに考え、コアに含めるものは最低限に抑えるよう努力したいと思います。

バージョン 3.0 にリクエストしたい機能を、フォーラムでどうぞ話し合ってください。