WordPress が20周年を迎えます: みんなでお祝いしましょう!

以下の内容は WordPress.org 公式ブログの記事「WordPress is Turning 20: Let’s Celebrate!」を日本語に訳したものです。

誤字脱字、誤訳などありましたらフォーラムまでお知らせください


2023年、WordPress は20周年を迎えます。WordPress がなかったら、私たちはどうなっていたのでしょう? ちょっと考えてみてください! 過去20年間、多くのテクノロジー、ソフトウェアスタック、ファッショントレンドが現れては消えていく中、WordPress は繁栄してきました。

これは、何千人ものコントリビューターから成る WordPress コミュニティによる素晴らしい取り組みと協力、そして WordPress の4つの自由とパブリッシングの民主化という使命を受け入れてくださった何百万人ものユーザーによるものです。

みんなでお祝いしましょう!

2023年の初めから WordPress が最初にリリースされた正式な記念日 (2003年5月27日) に向けて、さまざまなイベントでこの重要な節目を祝い、これまでの道のりを振り返り、将来に目を向けます。

ぜひご参加ください!

今後数ヶ月間、WordPress の公式ソーシャルメディアアカウントとこの記念日の公式ウェブサイトをチェックして、コンテンツへの協力や記念品の収集などなど、このエキサイティングなイベントに参加するための最新情報を入手してください。

ソーシャルメディアでは、コミュニティがフォローできるようにハッシュタグ #WP20 を使用してください。

お祝いのために公式ウェブサイトへ何かしらの掲載を希望したい企画がある場合は、こちらのフォームから詳細をお知らせください

WordPress 6.1「ミーシャ」

以下は、Matt Mullenweg による WordPress.org 公式ブログの記事 WordPress 6.1 “Misha” を訳したものです。

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「ミーシャ」へようこそ

WordPress 6.1 「ミーシャ」が登場しました。ソビエト・ノルウェー出身のジャズピアニスト、ミハイル “ミーシャ” アルペリンの人生と作品にインスパイアされたリリースです。ミーシャは、ソビエト連邦のジャズアンサンブルの活動を世界的に紹介しました。また、モスクワ・アート・トリオの創設メンバーとしても知られています。

「ミーシャ」は、サイト構築の体験をさらに洗練されたものに進化させます。WordPress 6.1 では、これまで以上に直感的なサイト制作が可能になり、ユーザーのクリエイティビティをこれまでになく向上できるでしょう。ミーシャのジャズピアノを聴きながら、WordPress 6.1 の世界をお楽しみください。

これは2022年のメジャーリリースの第3弾です。ぜひ今すぐダウンロードしてください。このリリース時点で、WordPress は世界中のサイトの43%を支えています。

サイトオーナーや管理者の方は、安定性、パフォーマンス、およびユーザビリティの強化を最大限に活用するために、すぐにアップグレードすることをおすすめします。また、WordPress のコンテンツ制作者には、執筆やデザイン体験を向上させるための新機能の数々を楽しんでいただけるでしょう。

このリリースには、WordPress コミュニティがプロジェクト開始以来、最も待ち望んできた機能が含まれています。エディターに追加された機能拡張と改善により、サイトオーナーにはより多くのコントロールと簡単なカスタマイズが可能になり、ユーザーはより一貫性のある使い心地を体験できるようになります。このリリースには、文章に焦点を当てた多くの改良が含まれています。「声なき人に声を与える」ためには、文章を書く人々にフォーカスする必要があるからです。

私が特に気に入っている改善は、ブロック内の段落を部分的に選択できるようになったこと、リストビューをデフォルトで開いたままにできる設定、内部リンクを追加するキーボードショートカットがすべてのブロックに拡張されたことなどです。

Josepha Haden Chomphosy、エグゼクティブディレクター
「WordPress 6.1「ミーシャ」」の続きを読む→

Classic Editor プラグインの公式サポート期限更新

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「An Update on the Classic Editor Plugin」を訳したものです。

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2018年の WordPress 5.0のリリース前に、新しいブロックエディターへの移行を容易にするため Classic Editor プラグインを公開しました。その際、このプラグインを2021年末までサポートし、期限が近づいた頃に必要に応じてそれを調整することを約束しました。マットと話し合った結果、2022年末までこのプラグインのサポートを継続することが、プロジェクトとコミュニティにとって正しい判断であることがはっきりしました。

とはいえ、ブロックエディターの利用を後回しにしていた人にとっては、もう一度試してみる絶好の機会です。ブロックエディターが2018年に初めて登場して以来、何百人もの WordPress コントリビューターたちが、ユーザーのフィードバックに基づいて多くのアップデートを行ってきました。使っていただければ、「こんなに進化したのか !」と嬉しい驚きを感じていただけるはずです。

WordPress、Gutenberg、Classic Editor プラグインに取り組んできた皆さんに心より感謝します。また、ソフトウェアをより良くするために必要なフィードバックを提供してくれたすべての WordPress ユーザーとテスターの皆さんも、ありがとうございます。

~ Josepha (ジョセファ)


久しぶりにブロックエディターを試してみるという方は、アウトリーチプログラム (日本語訳) に参加すれば、早い段階でフィードバックをいただけます。初めてブロックエディターを使う方はワークショップ動画やこちらのデモ動画をご覧いただき、基本的な使い方を知ってみてください。

Internet Explorer 11 サポート終了

以下は、 Jonathan Desrosiers が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Dropping support for Internet Explorer 11」を訳したものです。

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7年以上前にリリースされた Internet Explorer 11 (IE11) は、現在ンターネット上の全ユーザーの1%未満にしか使われておらず、利用率は急速に低下しています。人気サイトの大部分はすでに IE11 のサポートを停止しており (2020年版の Microsoft Teams を含む)、Microsoft 365 のアプリやサービスでさえも今年の後半にはサポートを終了する予定です。

今年の7月に WordPress 5.8 がリリースされる際、Internet Explorer 11 はサポートされなくなります。

現在、IE11 をお使いの方は、Google Chrome、Mozilla Firefox、Safari、Microsoft Edge などの最新のブラウザーに切り替えることを強くおすすめします。IE11をお使いの方は、過去17ヶ月以上にわたり、WordPress のダッシュボードに IE11 が古くなっていると見なされるという警告が表示されています。

すでに上記のモダンブラウザーを使用している方は、IE11 のサポートを終了することで WordPress にパフォーマンス上のメリットがあるため、この変更によってプラスの影響を受けるのみです。ただし、お客様のサイトの他のユーザーがまだ IE11 を使用している場合は、影響を受ける可能性があります。

「サポート終了」が意味すること

WordPress からブラウザーのサポートが外されると、そのブラウザーでの新機能のテストが行われなくなり、最適な動作が保証されなくなります。

また、WordPress コアのソースコードの一部を生成する自動化ツールも、サポートされていないブラウザーを除外するように更新されます。つまり、これらの生成されたファイルに依存している機能は、それらのブラウザーのユーザーにとってバグがあったり、動作しなくなったりする可能性が高いということです。

ブロックエディターに関連するほとんどすべてのファイルは、これらの自動化されたツールを使用してコンパイルされているため、ブロックエディターはこの変更による影響が最も大きい WordPress の部分となります。WordPress ダッシュボードの他の部分でもこれらのツールで構築された CSS が使用されており、IE11 を使用した場合に外観に影響が出る可能性があります。

IE11 固有のコードベースの他のすべての部分は、ケースバイケースで特定し、評価し、削除する必要があり、残りの部分は手動で保守されます。このプロセスは WordPress 5.9 のリリースから始まり、数回のメジャーリリースを経て徐々に行われる予定です。また、IE11 上で報告されたバグは修正されません。

テーマへの影響

今回の計画により、デフォルトで同梱されているテーマには何の変更も加えられません。また、IE11 のサポート (または、各テーマのリリース時にサポートされていた可能性のある他のブラウザー) に関連するコードは、デフォルトのテーマから削除されません。ただし、今後追加される新機能は、IE11ではテストされません。

デフォルトのテーマを使用していない場合でも、自分のテーマがこの変更の影響を受ける可能性は低いと思われます。テーマは通常、独自のブラウザーサポートポリシーを持っており、WordPress コア の変更はそれらに影響しません。テーマ作者がすでに IE11 のサポートを削除している可能性もあります。

IE11 のサポートが重要で、テーマが IE11 をサポートしているかどうか不明な場合は、テーマ開発者に連絡して確認することをおすすめします。

この変更に関する詳しい情報は、Making WordPress Core ブログでご覧いただけます。

Openverse (オープンバース) へようこそ

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Welcome to Openverse」を訳したものです。

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WordPress の共同創業者であるマット・マレンウェッグの先日の声明と、クリエイティブ・コモンズ CEO キャサリン・スティラーの投稿を受けて、CC Search (新しい名称は Openverse) が WordPress のオープンソースプロジェクトの一部になったことを正式に発表できることを嬉しく思います。マットも私も、クリエイティブコモンズの長年の支援者です。これにより、クローズドソースのフォトライブラリに対して長期的かつ持続的な挑戦を行い、WordPress のエコシステムがさらに強化されることを期待しています。

現在のユーザーへの影響

現在のCC Search ユーザーは、引き続きインターネット上でオープンライセンスの画像を検索し、利用することができます。WordPress は、クリエイティブコモンズ・プロジェクトが始めた素晴らしい活動を継続し、検索機能を拡張していく予定です。

次のステップ

今後は、音声や動画などの追加メディアのインデックス化と検索ができるようになることを期待しています。機能を拡張し、プロジェクトを成長させていく中で、Openverse を WordPress やメディアライブラリに直接統合していきたいと考えています。私たちは、オープンにライセンスされたメディアの検索と埋め込みを可能にするだけでなく、さらに皆さんのメディアにライセンスを追加して共有することで、恩恵を還元したいと考えています。

コントリビュートするには

Slack チャンネルの #openverse を訪れ、GitHub で WordPress オーガニゼーションの下に移動されたコードリポジトリを見てみましょう。また、このプロジェクトは、https://make.wordpress.org/openverse にある独自の Make ページでもご覧いただけます。現在、新しいチーム、プロセス、手順の設定に取り組んでいます。

チームとコミュニティに歓迎の意を表します。こちらの Podcast エピソード “The Commons of Images” では、マットと私が CC Search と WordPress コミュニティの一部としての同プロジェクトへの期待について話しています。

追記: Openverse プロジェクトの翻訳が可能になりました。現在 Openverse Search は wordpress.org/openverse のみで利用できますが、将来日本語化した ja.wordpress.org/openverse も公開予定です。

フルサイト編集機能が気になる方へ

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Curious About Full Site Editing?」を訳したものです。

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今年2回目のメジャーリリースが目前に迫ってきました。WordPress 界隈で、「フルサイト編集 (Full Site Editing/FSE)」に関する話題を耳にしたことがあるかもしれません。この記事では、知っておくべき全体像と、更に詳しく知りたい方のための道しるべとなるリンクをご紹介します。

サイト保有者や、運営者の方へ

WordPress でサイトを運営されている方にとって、バージョン5.8へのアップデートは他のアップデートと同様にシームレスに行うことができるはずです。フルサイト編集に関する話題はとてもエキサイティングですが、心配する必要はありません。次のリリースでのフルサイト編集に関連するものはすべてオプトインのオプションです。自由に試すには、専用に作られたテーマが必要です。最後のリンクで例の一部をご覧ください。

サイト制作会社、テーマ/プラグイン開発者の方へ

クライアント向けに WordPress CMS の機能を拡張している場合も、バージョン5.8へのアップデートはシームレスに行うことができます。いつものように、カスタム実装の部分をステージング環境でスポットチェックするか、リリース候補 (RC 版) が利用可能になった時点で完全にテストするのが賢明です。プロダクトをテストして、完全な状態でクライアントに提供したいと考えている場合は、下記のテストオプションをご利用ください。

コントリビューターとボランティアの方へ

WordPress プロジェクトに時間と専門知識を提供していただるようであれば、WordPress 5.8 のリリースに向けた面白い作業に参加していただき、作業をやり遂げた深い満足感を持ってサイトを更新していただけます。デザインや開発、ドキュメントや翻訳など、リリースごとに多くの作業が行われます。時間に余裕があって、あなたのサイトを支えるツールを支えるプロジェクトを支援したい方は、以下のリンクをチェックしてみてください。

リソース

2020年版の WordPress ユーザー・開発者アンケートにご協力ください / 昨年版の結果を公開します

下は、Andrea Middleton が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Take the 2020 WordPress Annual Survey (and view the 2019 results)!」を訳したものです。

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長年にわたって、WordPress ユーザーの皆さんにこのソフトウェアの利用経験や感じたことを共有していただくため、毎年アンケートにご協力いただいています。この調査から得られた興味深い結果は、毎年恒例の “State of the Word” 基調講演や WordPress ニュースで紹介しています。

この調査は、WordPress でサイトを構築している人たちにとって、WordPress がどのように、誰に使われているのかをより深く理解するのに役立ちます。また、WordPress オープンソースプロジェクトのリーダーがコントリビューター (オープンソースプロジェクト全般への貢献者) の経験をより深く知る一助にもなります。

2020年の調査結果にあなた自身の WordPress 利用体験を確実に反映させるために、アンケートにぜひご参加下さい。

このアンケートは英語フランス語ドイツ語ロシア語スペイン語でも回答可能です (訳注: 日本語で回答した場合は、他の言語では回答しないようにしてください)。アンケートは最低6週間受け付け、結果はこのブログでお知らせします。

2019年のアンケート結果

2019 WordPress.org アンケート結果のカバー画像

2019年の調査では、皆さんが WordPress を選択して使い続けている理由をよりよく理解するための新しい質問と、WordPress のコントリビューターに向けたセクションが含まれています。2019年に初めて、この調査はフランス語、ドイツ語、日本語、ロシア語、スペイン語という5言語に翻訳されました。

第1回目の WordPress コントリビューター調査は2015年に実施されましたが、その結果はまだ公表されていませんでした。本レポートでは、2015年と2019年の両方のコントリビューター調査の結果を掲載しています。

調査セグメント

調査対象となった主なグループは「WordPress プロフェッショナル」「WordPress ユーザー」「その他」です。

WordPress プロフェッショナル」グループは、サイトの設計や開発を行う企業に勤務している方、WordPress を使用してサイトやブログを構築している方、WordPress サイト用のテーマやプラグイン、その他のカスタムツールを設計・開発している方、WordPress を使用しているデザイナー、開発者、それ以外の Web 専門家の方を含みます。

この WordPress プロフェッショナルグループは、さらに WordPress 企業勤務者 (サイトのデザインや開発を行う会社に勤務する人) と WordPress フリーランサー/趣味利用者 (その他すべての職種) のサブグループに分かれています。

WordPress ユーザー」グループは、WordPress で構築したブログまたはサイトを所有や運営している方、そこで執筆や投稿をしている方、学校の先生として WordPress を利用している方、学生として学校で WordPress を利用している方、WordPress を利用したサイトの構築を学習中の方を含みます。

その他」グループは、「WordPress のご利用状況を最もよく表しているものは、次のうちどれですか ?」という質問の選択肢のどれにも当てはまらなかった方です。

2019 アンケート結果概要

調査対象者の間では、今後のプロジェクトのプラットフォームとしても WordPress が選ばれていることに変わりはありません。その理由としては、WordPress が圧倒的に人々にすでに知られている CMS であることと、それをサポートするコミュニティに価値があることが挙げられています。「プロフェッショナル」と「ユーザー」グループの回答者はどちらも似た度合いで、バージョン更新やブロックエディターに対する不満を報告しています。また、どちらのグループも WordPress の使いやすさを気に入っています。

クライアントへのカスタマイズ性の高い体験を提供するプロが大幅に増加したと見られる一方で、サイトの作成にかかる時間は減少したと報告されています。様々な機能への不満はともかく、使い勝手の良さが向上していることが伺えます。

利用者のセンチメント、利用状況、その他興味深いトピックの詳細は、レポートでご覧いただけます。


追記: Chiba WordPress Meetup の有志の皆さんが自動翻訳をもとにしてラフに訳したバージョンを公開してくださっていますので、データを日本語で読みたい方は参考にされてください (Meetup オーガナイザー渡邉さんのブログ記事はこちら)。

2020年版アンケートにご回答ください

WordPress を使う理由や使い方を知ることで、WordPress を構築している人が皆さんのニーズや好みを把握しておくことができるようになります。

すべてのデータは匿名化されており、公開結果にメールアドレスや IP アドレスが関連付けられることはありません。WordPress.org のプライバシーポリシーの詳細については、こちらのページをご覧ください。

昨年と同様に、2020年の調査は、WordPress.org 上のバナーや WordPress ユーザーの皆さんの力で広められる予定です。翻訳版のアンケートも今後、各言語の WordPress.org サイトのバナーで宣伝されます。WordPress を使っている友人やソーシャルメディアのフォロワーにもアンケートに参加するようにぜひすすめてください。

公平性とコミュニティの力

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事「Equity and the Power of Community」を訳したものです。

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この一週間、ジョージ・フロイド (George Floyd)、ブレオナ・テイラー (Breonna Taylor)、アマド・オーブリー (Ahmaud Arbery) についてたくさん考えていました。白人至上主義、世界中で黒人女性や男性が立ち上がっている不当な仕打ち、そして私が知らない、見ていないすべての不平等について考えてきました。

WordPress のミッションはパブリッシングを民主化することであり、私にとって常にそれは、「自身を表現する自由」という以上の意味を持っています。パブリッシングの民主化とは、声なき人々に声を与え、不公平性に反対する人々の声を増幅させることを意味します。民主的なパブリッシングがなければ知り得なかったことを知ることを意味します。人種、富、権力、機会に関係なく、すべての声が耳を傾けられる可能性を与えられることを意味すると私は思います。WordPress は商業活動へのポータルであり、アイデンティティのキャンバスであり、変化のためのカタリストです。

オープンソースプロジェクトとしての WordPress には、不公平な司法制度を再構築したり、構造的な不平等を上書きしたりする力はないかもしれません。でもそれは、私たち WordPress コミュニティが無力であることを意味しているわけではありません。WordPress は白人至上主義を根絶することはできませんが、WordPress コミュニティは、代表者が少ない (= underrepresented) グループに対してリソースを投資し、公平に雇用することはできます。WordPress は偏見を根絶することはできませんが、WordPress コミュニティは、コミュニティ内の疎外された声のためにスペースを用意することができます。

闘わなければならない人種的、社会的、制度的な不公平はたくさんあります。時には、変化は不可能に思えるかもしれませんし、今までの動きがあまりにも遅いものだったことは確かです。しかし、WordPress コミュニティは世界を変えることができることを、私は心の中で知っています。

自分のコミュニティで変化をもたらす方法についてもっと知りたい方のために、皆さんと同じような WordPress コミュニティメンバーから集めたリソースをいくつかここに紹介します。

State of the Word: Gutenberg ベースのプレゼンスライド

以下は、Ella van Durpe が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「State of the Word: the story of the slides」を @mimitips@nao@nukaga@atachibana で訳したものです。

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WordCamp US 2019 で行われた マット・マレンウェッグ (Matt Mullenweg) 氏による State of the Word (訳注: マット・マレンウェッグが毎年行う基調講演) の中で、プレゼンテーションに使用したスライドが、Slides プラグインを使用した Gutenberg で作られていることが明かされました。WordPress を使ってスライドを作成するのは誰にでも当たり前の選択肢とは言えないので、この記事では、その過程を紹介し、Gutenberg を使ってスライドのレイアウトを作成するためのコツを提供したいと思います。

この記事は エラ (Ella) と タミー (Tammie) の共同執筆によるもので、2人は今年の State of the Word スライドの作成に (MelMarkEnriqueQ 、そしてサポーターとともに) 協力しました。

はじまりの経緯

エラ・ヴァン・ドゥールプ (Ella Van Durpe)JSConf と ReactEurope で登壇者として選出され、プレゼンのスライドを作りたいと考えました。

過去には Reveal.js を使ってスライドを作ったことがあり、HTML/CSS/JavaScript を使って何でも作れる自由さを楽しく感じていました。エラにとってこれらの言語は使いやすく、手慣れていましたし、ネイティブな形式で Web に公開することができるからです。

新たにプレゼンを作るにあたって Reveal.js をまた使おうと思ったものの、HTML を手書きで書きたくはありませんでした。「コードを実際にまったく書くことなく、Web 上にネイティブな形で公開できるコンテンツブロックを視覚的に作る」というのは、まさに Gutenberg が作られた目的でした。

エラは、スライド内にスタイルをハードコードし、追加設定はできないというプロトタイプのプラグインをすばやく作りました。各プレゼンの最後に、Gutenberg ベースのスライドについての簡単なデモを含めると、観客は驚きました。

WordCamp US 2019 が近づいてきたとき、エラはプラグインを State of the Word で使うように勧めました。これまでの登壇で、彼女の観客の反応がとても良かったので、WordPress コミュニティ全体にもこれを共有するのはいい機会だと思ったのです。

Gutenberg スライドの仕組み

技術情報

プラグインはカスタム投稿タイプ “presentation” と新しいブロック “slide” を登録します。slide ブロックは拡張 “Group” ブロックの一種です。投稿のルートにしか配置できませんが、内部にはどのブロックでも置くことができます。結果、投稿のルートにはスライドがあり、スライドにはコンテンツがあります。この構造は HTML セクション要素内にコンテンツを必要とする Reveal.js マークアップと完璧に合致します。

それぞれのスライドには固有のデザインがあるため、テーマのスタイルは無効化され、各スライドからスタイルを設定しています。プラグインで提供されるカスタムプレゼンテーションテンプレートが、フロントエンドにカスタム投稿をレンダリングします。

ここでエラは、スライドをスタイリングするオプションを追加しました。例えば、ドキュメント全体、または個々のスライドレベルで背景やフォントを設定するオプションや、スライドの遷移方法や速度を変更可能な Reveal.js オプションを追加しました。最後にスタイルを上書きするカスタム CSS フィールドを追加しました。

また State of the Word 用にスピーカーノートとスピーカービューも追加しました。

デザインの過程

スライドデザインのインスピレーションは、Blue Note のアルバム・ジャケットから生まれました (2011年の State of the Word スライドのインスピレーションでもありました)。これらのアルバム・ジャケットは、WordPress コアの最近の “About” ページと、新しい Twenty Twenty テーマのスターターコンテンツに影響を与えました。このスタイルは、力強く幾何学的な形状と、明瞭なラインのシンプルなフォームで構成されています。写真と大胆なタイポグラフィは、この意匠の本質です。

プレゼンテーションに最適な組み合わせを選択する前に、さまざまなカラーパレットとフォントの組み合わせが検討されました。

スライドには強力な写真の要素が必要でした。過去の WordCamp は優れた写真のソースなので、適切な写真を見つけるために何年ものフォトギャラリーを掘り下げました。色、フォント、写真を使用し、一連のプレゼンスライドを構築するための基礎を築きました。

Gutenberg スライドを作る上でのコツ

コツその1: カラムと仲良くなろう

正確なレイアウトのスライドが必要な場合は、カラムを活用しましょう。以下の例では、3列レイアウトを使ってスライド内のコンテンツを中央に配置しました。

コツその2: スペーサーブロックの便利さを知る

カラムを最大限に活用するには、スペーサーブロックと組み合わせましょう。以下のスライドでは、スペーサーブロックを使って背景画像の上にコンテンツを配置しました。

コツその3: 大画面でテストする

スライドをプレビューしながら進めていくことが大切です。使用するプロジェクターのサイズとアスペクト比に合わせて設計し、時々プレゼンテーションモード上で視覚的に確認してください。

コツその4: 動画を確認

新機能を紹介するにはよくできたデモ動画が欠かせません。ヨエン・アスムッセンが効果的なデモ動画についての記事を書いています。

学んだこと

アートディレクションを適用した構成をもっと簡単に作れるようにできればいいのに!

メル・チョイス-ドゥワン (Mel Choyce-Dwan)

Gutenberg の進化にともなった大きな改善点のひとつとして、「アートディレクション」が簡単になったということが挙げられます。しかし、今年の間に加えられた改善をもってしても、Gutenberg でいくつかのレイアウトを作成することは予想以上にトリッキーでした。より複雑な構成については、SVG に依存しました。将来、最終的にはこういったハックの必要性は解消され、わくわくする可能性の新しい世界がすべての人に開かれるでしょう。

ブラウザーを通して、例えば (多くの人が使うツールである) Keynote や Powerpoint を使用する場合よりも、このプレゼンテーションにおける最大の学びを得ることができました。多くの場合、フルスクリーンで表示すると、エディターで作成したものとは表示が異なることが分かりました。ブラウザーウィンドウ全体を使う代わりに、固定サイズを使用するようにプラグインをアップデートすることで、これを和らげることができました。

まとめ

もし State of the Word をチェックしたい方がいましたら、ぜひ録画を見て記事を読んでください。

Slides プラグインはプラグインリポジトリから利用できるだけでなく、コードを GitHub から入手できますし、翻訳の手助けをすることもできます。

四半期レポート | Q2 2018

以下は、Josepha が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Quarterly Updates | Q2 2018」を訳したものです。

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WordPress コントリビューターチーム全体の大きなプロジェクトや取り組みを皆さんに知ってもらうため、各チームの担当者に連絡を取りました。チームの最優先事項と完了希望期日、懸念していることや成功したことを共有してもらうよう頼みました。見出しに各チームのサイトへのリンクが含まれていますので、質問がある場合はご利用ください。


アクセシビリティ

  • 担当者@rianrietveld@joedolson@afercia
  • 優先事項: コアへのマージより前に、Gutenberg がある程度アクセシブルになることを確実にするために作業中。予定期限はバージョン5.0リリース前です。
  • 懸念事項: マイルストーンイシューのテストやコードを書くための、開発者とアクセシビリティ専門家の不足。この問題を解決するためにチームはアウトリーチを行っている。
  • 成功事項: Gutenberg のコードレビューとテストツールを手伝うために、Paciello Group や Tenon.io のような企業から興味をもってもらえた。

CLI

  • 担当者: @danielbachhuber, @schlessera
  • 優先事項: 最初のグローバルハックデイが7月20日に行われます。バージョン2.0.0はまだ開発中 (新しい予定期限は7月末) 。
  • 懸念事項: チームは継続的に新しいコントリビューターを必要としている。現在のチームはとても小さいが、タフでもある。
  • 成功事項: WordCamp ヨーロッパの「サマーアップデート」で言及されたとおり、WP-CLI は現在 WordPress プロジェクトの4つのメインフォーカスとなっている。

コミュニティ

  • 担当者@francina@hlashbrooke
  • 優先事項: ボランティアチームを強くし、物事をうまく運用するために必要なツールを確立することで、コミュニティ管理におけるプロセスを円滑にすることに焦点を当てています。期限はなく、進行中です。
  • 懸念事項: 現時点での2つの最大の懸念事項は、何をする必要があるかをトラッキングすることと、物事を最終決定することです。進行状況のトラッキングを助けるのに使えるツールに関する作業を現在行っています。
  • 成功事項: コミュニティーチームの貢献者を増やす努力をした後、代理人および WordCamp メンターとして働いてくれているボランティアグループの人員がかなり増えました。

コア

  • 担当者@jeffpaul
  • 優先事項: WordCamp ヨーロッパでの「サマーアップデート」 (およびこちらの関連記事) に続き、チームは Gutenberg (新しい WordPress エディター) をバージョン5.0でのリリースに向けてしっかりした状態になるよう作業しています。完了の可能性がある予定期日は8月です。
  • 懸念事項: より多くの貢献者が時間を提供してくれるようになるにつれ、チームの勢いと方向性をコーディネートすること。WordCamp ヨーロッパでの「サマーアップデート」 (およびこちらの関連記事) に続き、チームは Gutenberg (新しい WordPress エディター) をバージョン5.0でのリリースに向けてしっかりした状態になるよう作業しています。完了の可能性がある予定期日は8月です。まだ、未解決の問題に取り組んでいます。チームは、問題をより迅速かつ透明性を持って処理するため、毎週何度かのバグ・スクラブ (バグ解決の集中作業) をはじめました。
  • 成功事項: 4.9.6でかなりのリリースがありました。コアのプライバシーツールと機能に関する主要なアップデートが含まれます。

デザイン

  • 担当者@melchoyce@karmatosed@boemedia@joshuawold@mizejewski
  • 優先事項: 新しいコントリビューターを迎える手助け。特に、より良いドキュメンテーションを作成すること。予定期限は7月末。
  • 懸念事項: 初めてコントリビュートする方に、適度に小さなタスクを見つけるのが難しい。
  • 成功事項: チームは現在、以前よりもはるかに良い組織になっており、それがデザイン関連の未処理のタスクをクリアし、新しいコントリビューターを迎え入れ、現在のコントリビューターも引き続き活動してもらうのに役立っています。さらに、Joshua Wold 次回のリリースを共同でリードする予定です。

ドキュメンテーション

  • 担当者@kenshino
  • 優先事項: HelpHub の作業を新しいコントリビューターへオープンにし、開始プロセスをより簡単にすること。期限は特になく、現在進行中。
  • 懸念事項: https://wordpress.org/support/ でのローンチに対し、コードとデータベースの準備ができているようブロッカーを確認すること。
  • 成功事項: HelpHub の最初のフェーズの作成は完了した。コンテンツの更新 (情報の更新、可読性や情報の見つけやすさの向上)、内部検索、デザイン改善、REST API エンドポイント。

ホスティング

  • 担当者@mikeschroder@jadonn
  • 優先事項: ホスティングサービスが Gutenberg への準備ができた状態にすること。特に、「Gutemberg を試してみよう」というコールアウトがダッシュボードに表示されるようになった後に寄せられるであろうサポート関連の質問に関して。期限は7月31日、その後は WordPress 5.0。
  • 懸念事項: 少数のボランティアチームによって、ほとんどのコントリビュートが行われています。さらに数人が参加してはいますが、歩みは遅いです。
  • 成功事項: 新しいチームメンバーとホスティング会社が #hosting-community チームに参加し、コントリビュートを開始しました。

マーケティング

  • 担当者@bridgetwillard
  • 優先事項: コミュニティからのケーススタディの作成と公開を継続。期限は特になく、現在進行中。
  • 懸念事項: 特になし。
  • 成功事項: 短いコントリビューターデイ向けのオンボーディングカード (初心者向けの手引き) を執筆、デザイン。WCEU のコントリビューターデイで使われ、オンボーディングの時間が3時間から1時間に短縮できた。

メタ (WordPress.org サイト)

  • 担当者@tellyworth@coffee2code
  • 優先事項: コントリビュータエリア (テーマレビュー、GDPR /プライバシー、プラグインレビュー) を中心に手動の作業を減らすこと。細かい部分の期限は四半期の終わりであり、その後の大きな部分に手を付けます。
  • 懸念事項: チケットの勢いを維持すること。また、メタ Tracシステムを使用っているチーム間でのチケット管理プロセスの更新に関する議論も行われている。
  • 成功事項: 新しい「About」ページが立ち上げられ、ほとんどのロケールサイトで翻訳が完了した。

モバイル

  • 担当者@elibud
  • 優先事項: モバイルアプリに Gutenberg を導入すること。期限は12月後半。
  • 懸念事項: ReactNative アプリで直接 Gutenberg のソースを消費すること。詳細はこちら
  • 成功事項: WordPress モバイルアプリは、RTL (右から左へ書く言語) を完全にサポートし、アクセシビリティに関する最新規格に準拠しています

プラグイン

  • 担当者@ipstenu
  • 優先事項: 8,000個以上の使われていないプラグインをキューから削除すること。見込み期限は9月。
  • 懸念事項: GDPR への準拠を提供するプラグインに関する多くの誤った主張をトリアージする必要があった。
  • 成功事項: 4.9.6をリリースし、プラグイン作成者の期待を更新しました。そのために尽力してくれたコアプライバシーチームに感謝します。

翻訳

  • 担当者@petya@ocean90@nao@chantalc@deconf@casiepa
  • 懸念事項: 新しい PTE のトレーニングに時間がかかり、ツールやシステムが複雑である。全体として、承認待ちの文字列が大量にある。
  • 優先事項: WordPress コアリリースを100%に翻訳した上で、トップ100のプラグインとテーマに集中すること。期限は特になく、現在進行中。

サポート

  • 担当者@clorith
  • 優先事項: Gutenberg コールアウトの準備を整えること (前四半期から先延ばしされた) 。公式サポートフォーラムでのさらに活発な参加が必要であり、そのための支援・教育活動が進行中です。期限は7月末です。
  • 懸念事項: コントリビューターデイ/ドライブの後も貢献者の参加を継続させること。この件についての洞察を得るため、コントリビューターデイの後にアンケートを作ることを検討している。
  • 成功事項: 週次ミーティングへの国際リエゾン担当者の参加増加により、より広範なサポートコミュニティを団結させることができるようになった。

テーマレビュー

Tide

  • 担当者@valendesigns (but usually @jeffpaul)
  • 優先事項: PHPCompatibilty の結果を WordPress.org API 内に保存し、その結果を表示する UI を構築すること。また、この作業が継続できるよう監査をリクエストするエンドポイントを追加すること。
  • 懸念事項: チームメンバーが休暇中だったり、内部クライアント業務に引き込まれている間、開発が大幅に減速中。
  • 成功事項: Amazon Web Services (AWS) から Google Cloud Platform (GCP) への移行が完了し、監査サーバーはすべて Go 言語で書き直されました (これにより、より大きな容量とより少ないコストで、さらなる高速化が可能になります) 。

トレーニング

  • 担当者@bethsoderberg@juliek
  • 優先事項: レッスンプランの作成。予定期限はなく、現在進行中。
  • 懸念事項: ワークフローが少し複雑なため、プロセスを動かすのに十分な貢献者を募集し訓練することが大変。
  • 成功事項: WordCamp Europe のコントリビューターデイはとても生産的でした。新しいツールやワークフローが整備され、2人のチーム代表が先導や手助けをしました。

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