State of the Word 2023 日本語吹き替え動画

State of the Word は、WordPressプロジェクトの共同創設者である Matt Mullenweg が毎年行う基調講演で、オープンソースプロジェクトの発展を祝い、その未来を垣間見ることができます。

AI 吹き替え付きの日本語版動画

2023年のイベントは、WordPressのYouTubeチャンネルを通じてライブストリーミングされ、今年2月にはスペイン語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、日本語の 5言語に翻訳されました。翻訳にはコミュニティレビューとともに、各言語の吹き替えが AI によって生成されました。

本編と質疑応答ともにYouTube にて公開されていますので、ぜひご覧ください。

また、動画と合わせて振り返り記事もご覧ください。

State of the Word 2023 の総括

https://ja.wordpress.org/2023/12/12/state-of-the-word-2023-recap/

2024年の State of the Word について

先日の WordCamp Asia で、State of the Word 2024年の開催都市が東京になることが発表されました。

このイベントはプロジェクトリーダーが基調講演を行う年次行事で、昨年初めてアメリカ国外で開催されました。スペインのマドリードに次いで、WordPress コミュニティやプロジェクトにとっての重要な都市として東京が選ばれました。

日本での開催となり、現地での参加に関心をお持ちいただいてる方も多いと思います。2024年も昨年に続いて招待制のイベントとなり、Five for the Future などを通じてプロジェクトに貢献している個人や企業などへ招待が送られる予定です。

ライブストリーミングは無料で公開されますので、例年は時差等の関係で見逃してしまった方も今年はぜひリアルタイムでご覧ください。

お楽しみに!

第3回 Global WordPress Translation Day (世界 WordPress 翻訳の日)

以下は、Hugh Lashbrooke が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「Global WordPress Translation Day 3」を訳したものです。

WordBench.org にて告知の通り、国内では東京名古屋大阪香川 (男木島) でローカルイベントが開催される予定です。また、誰でも WordSlack の #translate チャンネルからリモート参加できます (WordSlack アカウント作成方法はこちら)。

誤字脱字誤訳などありましたらフォーラムまでお知らせください


2017年9月30日、WordPress をできるだけたくさんの言語に翻訳することをミッションとしている Polyglots (多言語) チームは、3回目となる Global WordPress Translation Day を開催します。これはオンラインとオフライン両方を会場とする24時間連続の「マラソン」イベントで、Web サイト全体の28%を動かしている WordPress プラットフォームとそのエコシステムのローカリゼーションと国際化を目的としています。

ローカリゼーションのプロセスで WordPress とすべての関連プロダクト (テーマとプラグイン) が各地域の言語で利用できるようになることによって、アクセシビリティと使いやすさが向上し、より多くの人が無料のプラットフォームとサービスを利用できるようになります。

(完全にではないにしろ) 偶然にも、9月30日は国連が「国際翻訳の日」として宣言した日でもあります。これは、コミュニケーションと交流を可能にするあらゆる場所の翻訳者の偉大な貢献に敬意を表するためのものです。

このイベントでは、多言語ライブスピーチ (トレーニングセッション、チュートリアル、事例など) をストリーミング放送します。オーストラリアやアジア地域から始まり、米国西海岸で終わる予定です。

同じ24時間の時間枠内には世界中の多言語話者たちトレーニングや翻訳のスプリント、そして対面でのやりとりをするためにローカルイベントに集まります。物理的にチームに加わることはできない人たちは、リモートから参加できます。

これは楽しく役に立つ、そして気づきが多い1日となるでしょう。自ら力をつけたり、他の人を育てたりするための成長や与え合い、学びが入り混じったイベントとなるはずです。

以下は、過去2回のイベントからの数字です。

Global WordPress Translation Day 1

  • 全世界で448人の翻訳者
  • 全世界で50件のローカルイベント
  • 54ロケール (言語と地域の組み合わせ) が参加
  • 40,350個の文字列を翻訳
  • 597プロジェクト

Global WordPress Translation Day 2

  • 全世界で780人の翻訳者
  • 全世界で67件のローカルイベント
  • 133ロケール (言語と地域の組み合わせ) が参加
  • 60,426個の文字列を翻訳
  • 590プロジェクト
3回目の #WPTranslationDay をすばらしいものにし、翻訳者がコミュニティだけでなくすべての側面においてユニークかつ欠かせない役割を果たすのを助けるために、このニュースをぜひ広めてください。

プレスリリースの完全版や追加情報、ビジュアルアセットは wptranslationday.org/press から入手できます。

さらに何か情報が必要な場合は press@wptranslationday.org へお気軽にご連絡ください。

Ephemera 「短冊」ウィジェット

WordPress の新バージョン 3.2 の標準テーマ Twenty Eleven には、新しいウィジェット「短冊」が加えられています。このウィジェットの名称は、元の英語版では Ephemera 。これを日本語版ではなぜ「短冊」とすることになったのか、というお話です。

本題に入る前に、予備知識として投稿フォーマットについて見ておきましょう。投稿フォーマットとは、投稿記事の種類によって記事の見せ方に変化をつけるために、WordPress 3.1 から導入されました。複数の文章・段落から成る「ちゃんとした」記事を標準とすれば、ちょっとした短い記事はアサイド、リンクが主でそれにちょっとコメントする程度の場合はリンク、同様に引用が主の場合は引用、一枚の画像を対象とした画像、Twitter のひとつの tweet のような近況報告はステータス……ほかにもいくつかありますが、詳しくは Codex の各投稿フォーマットについての説明をご覧ください。投稿記事ごとにこの投稿フォーマットを指定しておけば、それぞれに応じた見せ方をテーマのほうで用意して、ブログ全体にメリハリをつけることができます。

さて、この「短冊」ウィジェットをたとえばサイドバーに配置すると何が表示されるのでしょうか。そこには、アサイド・ステータス・引用・リンクの各投稿フォーマットを指定されている記事のリストが現れます。

ではいよいよ、このような機能のウィジェットがなぜ英語では Ephemera 、そして日本語では「短冊」という名称なのか、という本題に入っていきます。

Ephemera は辞書を引くと、昆虫のカゲロウ(蜉蝣)、転じて短命なもの、という意味です。WordPress 日本語版作成チームは、3.2 のベータ版の頃、とりあえずこれを「カゲロウ」とそのまま訳していました。3.2 リリースが間近になって、ひとりが

Ephemera の訳「カゲロウ」はさすがに違和感がありますので良い日本語訳はないでしょうか ?

と疑問を投げかけました。カゲロウといえば「はかなきもの」の象徴だが英語でもそうなのだろうか、短命の美をポジティブにとらえた表現なのだろうか、でもなぜ上述の投稿フォーマットを指してそのカゲロウなのか……と議論しつつ、日本語では直截に「ひとこと」「短信」、それに「うたかた」などの案が出てきました。

そのうちに、ひとりが

Wikipediaによると
エフェメラ (ephemera) は一時的な筆記物および印刷物で、長期的に使われたり保存されることを意図していないものを指す。しばしば収集の対象となる。」

という情報をもたらしました。するとカタカナで「エフェメラ」にしておくのも選択肢のひとつ、ということになります。

後になって「エフェメラ」は、実は図書館情報学で用いられる学術用語であることがわかってきました。ここまでわかってからようやく google で「エフェメラ」を検索してみると、印刷業界では「端物印刷物」を愛着を込めて「エフェメラ」と呼ぶことがある、などということがわかりました。なるほど、それで上述の機能を持つウィジェットが英語で Ephemera という名称なんですね。

「一枚紙にまとめて」と言うときの一枚紙、あるいは一枚物、というのが近いとのことですが、今回は Webに表示される用語ですから一枚も何もないわけで、違和感があります。確かに日本でも「エフェメラ」で通用する分野があることはわかりましたが、一般的とは言えません。

日本語版作成チームで話すうちに、さらに「一筆もの」「一筆箋」などの案が出ましたが、どうもいまひとつです。そうするうちに7月7日になり、七夕ムードの中でひとりが Twitter で

Ephemera の訳語はもう「短冊」でいい気がしてきた

とつぶやきました。これに別のひとりが反応しました。

短冊は、短歌・俳句はもちろん、名言や座右の銘、それに日本画のものもよくあります。職場に目標や安全標語を書いて貼っているやつも短冊といいます。もちろん七夕に笹に飾るのも短冊です。その小ささといい、アサイド・リンク・引用・ステータスという投稿フォーマットを載せるのにはぴったりです。

この案にほかのメンバーの多くも賛意を示し、日本語では「短冊」ウィジェットと称することにしたのです。

「短冊」という語を目にして「何だこれ ?」と思われることもあるでしょう (おそらく英語圏での Ephemera も同じような反応ではないかと想像します)。今回の翻訳作業を通じて「エフェメラ」という語とその意味についての知識を得ることができ、せっかくなのでそれを広めたい (皆さんもうご存じのことでしたか ?)、そして WordPress 日本語版作成チームの活動の一端を紹介したいという気持ちで、ここに書いてみました。

モバイルアプリでどこでも WordPress

以下は、2010年2月17日に Jane が書いた WordPress.org 公式ブログの記事、「WordPress On The Go」を訳したものです。本文内のリンク先はすべて英語ページです。


レジの列で待っている時、歯医者さんで呼ばれるのを待っている時、ソイ・チャイが出来上がるのを待っている時など、待ち時間にコメントの管理をするのが好きです。どこに行くにもラップトップパソコンを持ち歩いているわけではない (*) ので、モバイルアプリでこれができるのがとても気に入っています。他のブログプラットフォームで、iPhone、Android、そして Blackberry に対応しているものはないと思います。

iPhone アプリは現在バージョン 2.2 で (注: iPhone アプリと WordPress コアとの開発サイクルは別々なので、バージョン番号は対応していません)、AndroidBlackberry アプリはまだ出たばかりです。これらのアプリでは、ブログ投稿を書いて下書きとして保存したり、公開したり、コメントを管理したり、モバイルデバイスでブログに写真を投稿したり (Blackberry では動画も!**) できます。各アプリの外観は以下でご覧下さい。

Screenshot of WordPress mobile apps

「Nokia はどうなの?」と、気になっている方へ。モバイルプロジェクトを監督しているラーナン・バー・コーエン氏から、最近こんな告知がありました。

楽しみなお知らせがあります。数週間以内にオープンソースの公式 Nokia アプリのベータテストを公開する予定です。参加に興味のある開発者の方は、公開したばかりの Nokia アプリ開発ブログでプロジェクト詳細やソースコード・Trac チケット・アルファ版ビルドへのリンクをチェックしてみてください。Qt のフレームワークを利用しているので、S60 および Maemo プラットフォームにも対応する予定です。

すばらしいですね!

参加方法

これらの WordPress アプリはすべて無料でオープンソースで、WordPress 本体と同じような体制で開発されています。つまり、誰でも参加できるということです!もしモバイル開発の技術をお持ちで、参加してみたいとお思いなら、大歓迎です。以下のリンクをご利用ください。

言語対応: WordPress ユーザーは世界中にいます。ここでご紹介したモバイルアプリは複数の言語でご利用いただけますが、もっと多くの人に使ってもらうためにボランティアの方の協力が必要です。WordPress のモバイルアプリローカリゼーションに興味のある方は、翻訳チームに連絡してください。翻訳方法を返信します。

アプリの入手

それでは、お好きなプラットフォームのアプリをダウンロードしてください。そのうち「レジ待ちの列が遅い!」というような一言を待ち時間の間に簡単に投稿できます。

*ええっと、実は私はラップトップパソコンをどこにでも持って行きますが… でも待ち時間にはバッグにいれたままなんですよね。
** iPhone と Android アプリの動画も近いうちに公開予定です。