翻訳エディター OmegaT の使用方法

この記事では OmegaT を使用したドキュメントの翻訳方法、特に GitHub / GitLab 上のリポジトリを使用したチーム作業について解説します。

概要

OmegaT は翻訳エディターです。原文と比較しながら翻訳し、翻訳した結果は「メモリー」として記憶され、次回以降の翻訳で再利用できます。「用語集」「機械翻訳」等の機能もあります。

OmegaT では共同でも翻訳できます。リポジトリサーバー上に置かれたファイルを OmegaT に読み込むことで、以後の同期や同じ箇所の上書き等を気にせずに作業できます。ユーザーがバージョン管理システム svn や git を意識したりコマンドを覚える必要はありません。

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1. OmegaT のセットアップ

OS に応じたプログラムをインストールします。また翻訳対象のファイル形式によってはプラグインが必要です(例: Markdown ファイル)。

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OmegaT のインストール [macOS]

  1. https://omegat.org/download から OmegaT 5.1.0 – OS X Notarized をダウンロードする。
  2. .zip ファイルを解凍して、アプリケーションフォルダにコピーする。

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OmegaT のインストール [Windows]

  1. https://omegat.org/download から Windows with 64-bit JRE をダウンロードする。
  2. OmegaT_5.1.0_Beta_Windows_64_Signed.exe を起動し、インストーラの指示に従う。

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Markdown 用プラグインのインストール

  1. https://okapiframework.org/snapshots/ からhttps://okapiframework.org/snapshots/okapiFiltersForOmegaT-1.5-m36-SNAPSHOT-dist.zip をダウンロードする。
  2. 解凍して okapiFiltersForOmegaT-1.5-m36.jar を取得する。
  3. OmegaT を起動する。
  4. メニューの「設定」->「設定フォルダー」をクリックする。
  5. 開いたフォルダーに 2. の jar ファイルをコピーする。
    • 参考
      • [Windows] C:\Documents and Settings\\Application Data\OmegaT
      • [macOS] ~/Library/Preferences/OmegaT/plugins/

参考: Okapi Filters Plugin for OmegaT

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2. OmegaT プロジェクトのセットアップ

  1. OmegaT を起動する。
  2. メニューで「プロジェクト」 > 「チームプロジェクトをダウンロード」を選択する。
  3. 値を入力する。
    • リポジトリまたはプロジェクトファイル: https://github.com/ … / (project).git (プロジェクト管理者が指定した GitHub / GitLab の URL)
    • ローカルプロジェクトフォルダ: 自身の作業用フォルダ
  4. 「確定」をクリックする。
  5. 「翻訳対象ファイル一覧」ダイアログボックスが表示されるので、分節数等の数値があること確認して「閉じる」をクリックする。

ここで source フォルダに対象ファイルがあるにも関わらず数値がすべて「0」の場合は、プラグインが正しくインストールできていません。上の手順を確認してください。

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3. OmegaT で翻訳する – 基本編

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概要

OmegaT は「分節」単位で翻訳します。翻訳の流れとしては

  1. 分節を翻訳する
  2. 次の分節に移動する、または任意の分節を選択する
  3. 分節を翻訳する

を繰り返します。選択中の分節以外の分節を翻訳することはできません。また分節を出ると翻訳内容は確定します。「取り消す」(Ctrl + Z) しても、以前の分節の編集は取り消せません。「取り消す」は現在、選択中の分節の中での編集のみに有効です。

「ファイル」>「訳文ファイルを生成」(Ctrl + D。Mac は Command + D) で翻訳ファイルが target フォルダ内に作成されます。

作業内容は自動で保存されます。翻訳ファイルの生成時、保存時には自動的にリポジトリ側に同期されます。チームで作業する場合、同期が終わると他のメンバーの翻訳が自分のプロジェクトで表示されます。

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翻訳する

プロジェクト開始直後は、最初の分節0001にいて、

  • 元の英文(緑色背景)
  • 翻訳対象の英文、または翻訳済み和文

が表示されますので、対象を翻訳します。

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分節の移動

※ Ctrl : Mac では Command

  • Ctrl + N、または Enter 次の分節
  • Ctrl + P 前の分節
  • Ctrl + U 次の未翻訳分節

好きな分節にジャンプする

  • ダブルクリックする、または
  • Ctrl + J を押して絶対分節番号を入力する。

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訳文ファイルの作成

訳文ファイルの作成 (Ctrl + D)すると、target フォルダ内に訳文ファイルが作成されます。

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翻訳の GitLab リポジトリーへの反映

保存 (Ctrl + S)または翻訳ファイル生成すると、自動的に作業内容が同期され、自分以外の翻訳がローカルのプロジェクトに自動的に反映されます。

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4. OmegaT で翻訳する – 応用編

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右上ウィンドウの参考訳文を使用する

1. 訳文を選択する。

  • ダブルクリックする、または
  • Ctrl + 1 (or 2, 3, 4 …)

2. Ctrl + R (置換)、または Ctrl + I (挿入)  

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メモの挿入

  1. メニューの「表示」->「メモ付き分節を色付け」をオンにする。
    • 色を変えるには「環境設定」->「外観」->「配色」
  2. 分節を翻訳中に、画面下の「メモ」タブをクリックし、メモを記入する。
  3. 常にメモを表示する場合には、「メモ」タブを任意の位置にドラッグしてウィンドウ化する。
    • この操作は他のタブでも同じ

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機械翻訳

重要な注意: 機械翻訳した場合は、必ず検証および修正してから、分節を移動してください。分節を移動すると翻訳内容は確定します。機械翻訳は翻訳の補助のみに使用してください。

  1. 必要に応じてプラグイン、API キーを取得する。
    1. Google Translate: API キー (プラグイン不要)
    2. みんなの自動翻訳@TexTra®: API キープラグイン (zip ファイル)
  2. プラグインが必要な場合はダウンロードしたファイル内の .jar ファイルを上記の「Markdown 用プラグインのインストール」と同様にプラグインディレクトリに配置する。
  3. OmegaT のメニューで「環境設定」->「機械翻訳」を選択し、対象の機械翻訳システムの「有効」をオンにする。
  4. 「設定」をクリックして、1. で取得したキーを入力する。

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変更者、変更日時の表示

OmegaT のメニューの「表示」->「更新情報を表示」->「現在の分節で表示」または「すべての分節で表示」

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入力補完

OmegaT のメニューの「環境設定」->「入力補完」

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5. ヘルプ

  • 翻訳対象のファイルが読み込まれない場合
    • 対応するプラグインが正しくインストールされていません。上の手順とパスを確認してください。
  • メニューの「ヘルプ」->「取扱説明書」
  • Twitter の @OmegaTOfficial

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6. OmegaT チームプロジェクトの新規作成

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作成手順

  1. GitHub / GitLab レポジトリーを作成する。
  2. ローカルで OmegaT プロジェクトを作成する。
  3. ローカルの OmegaT プロジェクトを git push する。
  4. メンバーのアクセス権を設定する。
  5. リポジトリーの URL をチームに知らせる。

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同期内容

  • 設定ファイル
  • プロジェクトの翻訳メモリー
  • プロジェクトの用語集 (glossary フォルダ内)

同期されないもの

  • ターゲットファイル (保存された翻訳ファイル)
  • ローカル独自の参考用ファイルなど

最終更新日: